2020年度まで行われていた「大学入学センター試験」に代わり、2021年度から「大学入学共通テスト」が導入されました。
国公立または共通テスト利用選抜で私立大学の医学部再受験を志す受験生は、この大学入学共通テストで高得点を獲得する必要があります。
大学入学共通テストで高得点を獲得し、医学部再受験を成功させるカギは「勉強時間をしっかり確保できるか」また「その勉強時間の中でより効率的な勉強法を用いて学習を進めることができるか」の2つです。
この記事では、大学受験の最難関と言われる国公立医学部再受験や共通テスト利用選抜で私立大学の医学部再受験を目指す受験生に向けて、合格を勝ち取るために必要な勉強時間と共通テストで高得点を獲得するための効率的な勉強法を解説していきます。
医学部再受験に必要な勉強時間は約2000時間
上記でも紹介したとおり、国公立または共通テスト利用選抜入試で私立大学の医学部再受験を成功させるには「大学入学共通テスト」で高得点を取ることが重要です。
またどのように共通テスト対策の勉強時間を確保するかが合格のポイントとなります。
医学部再受験の場合に必要な勉強時間は、合計2000時間程度と言われています。1日換算すると、5時間以上の勉強時間を確保する必要があります。
浪人生の場合、1日に7~8時間の勉強時間を確保することは可能ですが、社会人の方や大学在学中に志望校への医学部再受験を志す仮面浪人の方の場合、1日5時間以上の勉強時間を確保することが難しい方もいるでしょう。
また、「勉強法がわからず思うように学習が進まない」という悩みや、自身の学力を客観的に測ることができないことを原因とする伸び悩みから医学部再受験を諦めてしまう受験生も少なくありません。
そのような事態を回避するため、医学部再受験に必要な勉強時間を確保し、より効果的な勉強法を見出すために、医学部予備校へ通うことをおすすめします。これについては後ほど詳しく紹介します。
共通テストで高得点を取り志望校に合格するための勉強法
他の学部に比べて合格ラインが高い国公立医学部再受験や共通テスト利用選抜で合格を勝ち取るためには、当然ながら各科目を網羅したより高い学力が必要不可欠です。
また、国公立大学と私立大学では受験科目に違いがあり、大学によっても異なる点があるため、医学部再受験生は志望校を早めに設定し、受験科目や入試傾向をリサーチしておきましょう。
共通テストで高得点を取るための勉強法のポイントとしては以下のようなことが挙げられます。
- 志望校を設定する
- 無理のない勉強計画を立てる
- 勉強計画に沿って問題集/参考書を活用する
- 積極的に模試を受験する
- 医学部再受験に適した予備校に通う
国公立大学と私立大学どちらの医学部再受験を行うか、また入試を受ける志望校によって共通テスト対策の学習計画を立てる必要があるため、まずは志望校を設定してから勉強法を見直すようにしましょう。
無理のないスケジュールで勉強計画を立てる
医学部再受験生の大学入学共通テスト対策として、過去問を解いてから以下のような手順で勉強計画を立てるとより効率的でしょう。
- 大学入学共通テストの過去問を解き、どんな対策が必要かを考える
- 1日のうちで勉強できる時間を算出
- 季節単位での目標を設定
- 1ヶ月、1週間、1日単位での目標を設定
以下ではそれぞれの手順のポイントを紹介していきます。
手順① 大学入学共通テストの過去問を解き、どんな対策が必要かを考える
まずは大学入学共通テストの過去問を解いてみましょう。
約150年もの歴史があり、最高学府である東京大学の理科三類の場合に必要な得点率は92%、その他難関校の医学部再受験時に必要な得点率は、90%以上と言われています。
医学部再受験までにどのような対策が必要で、どのような進度で勉強計画を立てていくべきかを測るために、まずは大学入学共通テストの過去問を解く必要があります。
手順② 1日のうちで勉強できる時間を算出
次に、1日のうちにどのくらいの時間を勉強に割くことが出来るかを算出します。
上記でも紹介したとおり、医学部再受験の場合に必要な勉強時間は年間で合計2000時間程度、1日5時間以上と言われています。
浪人生の場合、1日に7~8時間の勉強時間を確保することは可能ですが、医学部再受験を志す仮面浪人の場合は、1日5時間以上の勉強時間を確保することが難しい方もいるでしょう。
そのような場合、勉強時間を補うために土日を利用する人も少なくありません。
ただし、医学部再受験のための勉強計画を立てる際に最も重要なのは無理のないスケジュールにするということ。
医学部再受験に向けた勉強中に心が折れてしまい、医学部再受験を諦めてしまう受験生も実際には少なくありません。
それでは元も子もないので、睡眠や休息の時間を確保して生活習慣を整えることはもちろん、大学入学共通テストの過去問の結果から「1年では時間が足りない」と感じる場合は「受験を遅らせる」という判断をすることも一つの手です。
手順③ 季節単位での目標を設定
1日のうちにどれくらいの勉強時間が確保できるかを確認したら、季節単位での目標を設定しましょう。
上記でも紹介したとおり、国公立大学と私立大学では受験科目や入試傾向に違いがあり、大学によって偏差値も異なる点があるため一概には言えませんが、一例として下記のような勉強法で進めていくのがおすすめです。
- 4~6月:徹底的に基礎を固める
- 7~9月:標準・発展レベルの問題に着手する
- 10月~受験期:知識の定着させ過去問演習に取り組む
これに加えて、医学部再受験時に必要な偏差値や得点率を基に、季節ごとの偏差値・得点率の目標設定を行いましょう。
手順④ 1ヶ月、1週間、1日単位での目標を設定
医学部再受験に向けた季節ごとの偏差値・得点率の目標設定ができたら、さらに1ヶ月、1週間、1日単位での目標と、その目標に見合った勉強計画を立てます。
近くに目標を置くことで、勉強の進度や次にすべき対策を明確にすることができ、モチベーションの継続にも繋がります。
1日の勉強時間については、1~2時間ごとに科目を変えていくのがおすすめです。
医学部再受験までに日々満遍なく試験科目に触れておくことで、学習内容の定着を図れることはもちろん、1~2時間ごとに科目を変えていくことで気分転換になり、集中力が長く続くようになります。
学力を十分に伸ばす問題集の勉強法
医学部再受験を目指す中で、問題集や参考書を進めていくことは必須です。
学力を十分に伸ばすための問題集選びと勉強法のポイントは以下のとおりです。
- 学力に見合った問題集/参考書を選ぶ
- 時期によって問題集/参考書を使い分ける
- 繰り返し復習する
上記3つの問題集選びと勉強法のポイントについてそれぞれ解説していきます。
問題集の勉強法① 学力に見合った問題集を選ぶ
勉強時間の計画を立てた際にもベースとした大学入学共通テスト過去問の結果を参考に、まずは学力に合う問題集を選びましょう。
学力に合う問題集や参考書を選ぶことで内容理解を深め、勉強時間を効果的に使うことができます。
問題集の勉強法② 時期によって問題集・参考書を使い分ける
医学部再受験に向けた勉強計画をこなしていく中で、時間の経過とともに学力も上がってきます。
これに伴って、問題集や参考書のレベルも上げていく必要があります。
また4~6月の間に基礎を固め、標準・発展レベルの問題に着手していく必要がある7月に入ったタイミングで問題集のレベルを上げるのもおすすめです。
10月頃から受験期にかけては志望校の赤本を解いたり、再度大学入学共通テストや大学入学センター試験の過去問を解いていくようにしましょう。
ただ、10月頃から受験期については知識の定着も図っていく必要があるため、今まで使っていた問題集や参考書を繰り返し復習する必要があります。
問題集の勉強法③ 繰り返し復習する
上記でも紹介したとおり、10月頃から受験期については志望校の赤本や大学入学共通テスト、大学入学センター試験の過去問を解くだけではなく、知識を定着させるために今まで使っていた問題集や参考書を繰り返し復習しましょう。
復習が必要なのは、10月頃から受験期だけでなく通年です。
1日に7回繰り返すことで人は物事を短期記憶として暗記できると言われていますが、人は時間の経過とともに暗記したことを忘れていきます。
そのため、学習の20分後、1時間後、1日後、1週間後、1ヶ月後と、間隔をあけて復習を行うのが良いと言われています。
一度解いた問題集や読み終わった参考書を繰り返し何度も復習し、医学部再受験までに内容を定着させるよう心がけましょう。
【科目別】効果的な対策方法と参考書の勉強法
ここでは医学部再受験に向けた問題集や参考書の勉強法を科目別に解説していきます。
英語の勉強法
英語は以下の3つの項目をそれぞれ学習する必要があります。
- 単語+イディオム
- 文法
- 長文
それぞれ問題集や参考書を分けて学習しましょう。
まずは英単語を確実に覚えていく必要があります。
また各大学の入試傾向などを確認し、難関私大レベルまで語彙力を強化していくことや、医療系の単語を覚えていくことのも重要です。
文法は基礎レベルからしっかりと定着させていきましょう。標準・発展レベルの問題に着手する時期まできたら問題数が多い参考書を反復演習し、医学部再受験に備えます。
長文読解については、それ専用の参考書ではなく、難易度がより高い文法の参考書を利用する勉強法も効果的です。文法の参考書の場合は、一問が6行程度と短い文章で構成されているため、長文に苦手意識がある人でも無理なく進めることができます。
数学の勉強法
大学入学共通テストの数学の試験時間は70分と、センター試験より10分長くなりました。
従来の大学入学センター試験にも出題されていた数値や数式を答える問題に加え、日常場面に関連した問題が出題されたのが特徴です。
上記のような発展問題に十分な時間を費やすためには、まず数値や数式を答える基礎問題をスピーディーに解き、確実に得点を稼ぐ必要があります。
医学部再受験で必要とされる計算力のトレーニングも参考書を用いて行いましょう。
高難易度の試験問題については、演習問題を時間をかけて読み込み、解くことで解法を暗記していくことで対策しましょう。
化学の勉強法
化学は、ほとんど全ての医学部再受験生が選択する科目です。化学は理論・無機・有機と分野が分かれています。
各分野を学習していく上で意識していくべきことは以下のとおりです。
分野 | 意識すべきこと |
---|---|
理論 | 教科書と参考書を併用してどのような公式や定理を学ぶのか知り、実際に使用することで解法を覚える。 |
無機 | 化合物がどのような観点で区分されているのかをしっかりと覚える。 |
有機 | 化合物がどのような観点で区分されているのかをしっかりと覚える。階層構造に注意しながら大まかな区分を言えるように徹底する。 |
医学部再受験でより必要となる化学の知識は、数学色よりも理論などに重点が置かれています。理論をしっかりと理解することが重要です。
物理の勉強法
理科2科目で多くの医学部再受験生が選択する科目が物理です。
2021年度の大学入学共通テストの物理では、思考力や文章読解力を要する設問が目立ちました。
しかし、従来の大学入学センター試験にも出題されていたような公式を用いるだけの単純な設問も多く、複雑な計算を答えさせる問題はなかったため、難易度は全体的に易化したと言えるでしょう。
医学部再受験における物理の勉強法として心得るべきことは、なにより物理公式を理解することです。
物理の勉強はまず公式を理解し、 その次に問題を解いてその公式をどこでどう使うのかを学んでいく必要があります。標準的な問題集で公式の適用方法を繰り返し学習しましょう。
物理において、公式がおろそかであると問題を解くことはできません。 基礎をしっかりと理解して、医学部再受験に挑みましょう。
生物の勉強法
生物の試験問題一般の特徴として、他の理科科目に比べて以下のような2つのことが言えます。
- 知識問題の量が最も多い
- 計算問題が最も少ない
ただし、上記でもお話したように大学によって入試傾向は大きく異なり、難関大学の生物では実験考察問題が出題される場合もあります。
受験科目として生物を選択している医学部再受験生は、特に自身の志望校の「出題内容」に注意して学習を進めましょう。
生物の試験問題一般にせよ難関大学の生物で出題される実験考察問題にせよ、大切なのは「知識」です。
生物は理科科目の中で最も暗記すべきことが多い科目です。生物をマスターする勉強法としては、用語をしっかり覚えていくことに比重を置きましょう。
国語の勉強法
英数理の実力がなければ、国語ができても国公立医学部は不可能と考えられます。
ただし、2021年度の大学入学共通テストにおいて古文がやや難化したので、英数理の実力がついたら、知識問題の量が多く、高得点を狙いやすい古文と漢文の勉強に重きを置くようにしましょう。
また、点数が取りにくいとされている現代文については、「異なる種類や分野の文章などを組み合わせた、複数の題材による問題」が出題されました。これについては、様々な種類や分野の文章を読んで慣れておく必要があります。
医学部再受験に向けた国語の勉強法としては、以下のようなことに注意して下さい。
- 英数理を優先的に
- 古文と漢文は知識問題をこなし、しっかりと暗記する
- 現代文は、様々な種類や分野の演習問題を解いて、理解のスピードを上げる
社会の勉強法
医学部再受験生の多くは大学入学共通テストの社会科目である、 世界史、日本史、倫理政経、地理の4科目の中から1科目を選択します。
従来の大学入学センター試験や大学入学共通テストでの出題傾向を参考に、暗記が多い社会科目について医学部再受験に抑えてほしい勉強法をまとめてみました。以下参考にしてみて下さい。
科目 | 勉強法 |
---|---|
世界史 | 教科書に載っているような基本的な知識を暗記。重要な場所については地理的な位置を暗記。時代感覚や出来事の流れを掴む。 |
日本史 | 教科書に載っているような基本的な知識を暗記。時代感覚や出来事の時代背景を暗記。出来事についての5W1Hを暗記。 |
倫理政経 | 出来事のや思想の大まかな流れを網羅的に把握→細かい単語を暗記。考察問題に対する勉強法として、インプットした知識のアウトプットを行う。 |
地理 | 基礎知識の習得。演習問題を解いた後は解説を必ず読むことで背景や関連知識を暗記。 |
上記に記した勉強法にもあるように、社会科目は知識のインプットや整理が最も大切です。
ただし、医学部再受験にためにはアウトプットも練習しておく必要があるので、10月~受験期を目途に大学入学共通テスト演習と参考書・問題集を交互に学習するようにしましょう。
【関連記事】医学部再受験生の参考書選び
また、医学部再受験におすすめの参考書や問題集を用いた勉強法はこちらのページで科目ごとに紹介しています。是非参考にしてみて下さい。
浪人生こそ積極的に模試を受験する
模試は、医学部再受験生が客観的に自分の学力を数値化できる数少ない機会です。頻度としては、月1回のペースが理想的でしょう。
この記事ではここまでに、医学部再受験生の勉強計画の立て方や共通テスト対策としての勉強法を紹介しましたが、医学部再受験までにどのような対策が必要で、どのような進め方をしてくべきかといった勉強時間の割り振りや勉強法は、自分の学力に合わせて設定する必要があります。
模試を受けることで自分の学力の把握と、勉強時間や勉強法の見直しを図れるため、浪人生こそ積極的に模試を受験するようにしましょう。
医学部再受験に最適な予備校を選び、勉強時間をしっかり確保する
この記事では、医学部再受験生の中でも、国公立医学部再受験や共通テスト利用選抜で医学部再受験を成功させるため、受験生に必要な勉強時間と共通テストで高得点を獲得するための効率的な勉強法を解説しました。
共通テストで医学部再受験生が高得点を獲得するためには、いかに効率良く質の高い対策ができるかどうかをしっかりと見直し、対策していく必要があります。
また、1年間継続して勉強に専念できるだけの強いメンタルが必要です。
自分で綿密に勉強時間や勉強法を設定し、独学で医学部再受験に向けた勉強に励んでいても、途中で心が折れてしまい、医学部再受験を諦めてしまう受験生も実際には少なくありません。
また医学部再受験生に寛容でない大学もあるので、勉強時間や勉強法の見直しのみならず、「適切な志望校選び」という根本的なことも短期合格において重要となってきます。
上記のような理由から、長年の指導経験や徹底した入試分析によって勉強時間や勉強法の設定を行い、医学部再受験生でも合格が実現できる大学を熟知している医学部予備校に通うことをおすすめします。
「勉強法がわからず思うように学習が進まない」という医学部再受験生でもしっかりと勉強時間を確保することができるため、安心して医学部再受験に挑むことが出来るでしょう。