医学部入試でよく耳にする言葉の1つとして「医学部再受験」があります。
医学部再受験とはどんな受験のことを指しているのか、詳しく解説していきます。
また、医学部再受験を目指すメリット・デメリット、そして、合格の可能性についても説明しているので、この機会にぜひ確認してみましょう。
医学部再受験とは
社会人や他学部に進学した人たちが医学部医学科を目指し再び受験勉強を始める医学部再受験生が多くいます。
多くの理由としては、昔医師を志望し医学部受験を目指したけど合格を勝ち取れなかった人、または昨今の不景気や終身雇用の崩壊に伴う将来性の不安から安定した地位と収入が期待できる職業として目指す人が挙げられます。
ただし、昨今の医学部人気に伴う受験生増加と難易度の上昇も相まって、医学部医学科への合格を勝ち取ることは非常に難しく途中で挫折してしまう再受験生も多く存在します。
医学部再受験生の方は長期戦よりも期限を課して短期間集中で目指すことが経済的にも年齢的にも重要になってきます。
医学部再受験のメリット
医学部再受験の最大のメリットは、医師という夢を勝ち取ることができることです。
一度は諦めてしまった医師の夢を努力で勝ち取ることができれば今までの苦労も報われますし、自分への自信にもつながります。
また、入学方法で言えば、学士号取得者にとっては学士編入の選択もありますが、医学部再受験のほうが合格の可能性が上がることが挙げられます。
医学部学士編入は募集定員が非常に少なく、優秀な受験生と数少ない枠を競い合うので難易度が高くなると同時に、小論文、面接、経歴など学力以外の部分が重視されます。
一般試験でも面接や小論文はありますが学科試験の成績に重きが置かれているので、努力した分の成果がより合格に反映されやすい傾向にあります。
医学部に入る方法
医学部再受験生のなかには学士号取得者または他学部在籍の人も多いと思いますが、この場合、医学部に入る方法としては一般入試以外にも学士編入または転部といった方法があります。
なぜ一般入試を受験して医学部に入りなおす人が多いかと言うと、募集定員数が圧倒的に多いからです。
学士編入となると募集定員が極端に少なくなってしまうため、学歴や職歴などライバルに有利となる武器と高度な学力の両方が必要になってしまうからです。
また、転部については大学内に医学科が設置されていないと無理なうえ、実施しない場合もあるので注意が必要です。
しかも転部の場合は一度きりのチャンスしかないので、もし実現できなかった場合は他の方法で医学部に入りなおす必要があります。
医学部再受験のデメリット
医学部再受験のデメリットは一から受験勉強を始める必要があるのである程度の学力を持っていくまでにも時間がかかってしまうことです。
多くの受験生は3年をメドに医学部合格を目指して努力していますが、合格する保証はなく次第に集中力がなくなってしまいそのまま諦めてしまう人も多くいます。
公認会計士や司法試験で挫折した人は関連資格を取得して社会に出て行くことが可能ですが、受験勉強は医学部に合格しないとやってきたことが実を結びません。
また、多くの再受験生は仕事を辞めて受験に専念する人が多くいらっしゃいます。学費や授業料を工面していく必要があると同時に収入がゼロになるということは、将来的な不安やプレッシャーが受験勉強にも影響してくることは否めません。
たとえ、医学部に合格して医学科を卒業したとしても、周りの先輩医師は自分よりも年下となるため人間関係に悩んでいる方もいらっしゃいます。
そして、医学部は公言してはいないものの、年齢差別を実施している大学があるのは事実として周知されていることです。
裏口入学や女性差別で話題になった東京医科大学の医学部入試では、女子学生だけでなく4浪以上の男子にも加点なしという点数調整を実施していたことが明るみになっています(※2浪まで男子加点20点、3浪男子30点を付与)。
医学部合格の可能性を高めるためには、まずは年齢差別を実施していない大学を選び公正な学力試験や人物試験で選抜してもらうことです。
医学部再受験生の年齢問題とは
東京医科大学などが不正入試を実施していたことが明るみになったことで、実際に入試の合否を決める際に年齢差別を行っていたことが発覚しました。
今までは、噂レベルで年齢に厳しい医学部があるとは言われていたものが事実として証明されたわけです。
ただし、不正入試が発覚した医学部は数校に留まっており、まだまだ年齢に寛容ではない大学があると言われているので、まだまだ油断は禁物です。
年齢差別が実施される場合、医学部再受験生はライバルに大きなハンデを背負うことになってしまうので、志望校選びに大きく影響してきます。
入りたい医学部ではなく、入れる医学部が志望校になってしまうため、選択肢は限られてきます。
合格の可能性は
医学部入試の合格率は7%程度と言われているくらい難易度は非常に高く、医師という職業を限られた人しかなることができません。
他学部の入学試験に比べると再受験生の数が多いのが医学部の特徴ですが、実際に合格するのはほんの一握りとなっています。
医学部再受験生の中でも合格者は旧帝大や早慶出身の割合が多く、やはり天才肌の人が順当に合格している状況です。
もちろん、出身の高校や大学に関係なく医学部合格を実現している人もいますが、相当の努力と覚悟がないと難しいと思っておいたほうが良いでしょう。
また、学習指導要領も変わっており、受験勉強ほぼゼロの状態から医学部を目指す場合は、1年合格が厳しく、2年、3年と長期間を想定しておく必要があります。
2年間ほど継続して集中して勉強に取り組める覚悟がないと医学部合格は厳しいと言っても過言ではありません。
事実、多くの医学部再受験生は、思うように伸びない成績と先の見えない不安な状況から、徐々に勉強への意欲を失い、途中でリタイアしてしまうケースが多いです。
受験に失敗してしまうと
医学部再受験では「闇」や「失敗」といったネガティブな単語で検索している人が多く、それだけ合格が難しい試験となっています。
医学部再受験は仕事や他の学業と両立して合格できるほど生易しい試験ではなく、多くの人はキャリア等を捨てて勉強に専念しています。
そのため不合格の場合は、勉強期間が長ければ長いほど履歴書の空白期間も長くなり、再就職が難しくなってしまいます。
専門かつ高度な資格や経験がない場合は、就職するために条件や待遇を大きく下げざるを得なくなってしまいます。
また、他学部在籍から医学部再受験を目指す場合は、実務経験が無いまま長期間勉強に費やしてしまうため、不合格の場合は社会人経験ありの人よりもさらに就職は厳しくなります。
医学部再受験を目指す場合は、人生の軌道修正ができるよう期間を事前に決めてから挑むことで、失敗のリスクを軽減することが可能です。
医学部再受験を失敗したことで、目指したこと自体を後悔しないよう先のことを見据えてある程度の人生設計をしておきましょう。
超難関試験を成功させるためには
医学部再受験生が合格を勝ち取るために必要なことは、何と言ってもまずは合格に必要な学力を身につけることです。
失敗する多くの医学部再受験生は、まず医学部合格に必要な偏差値まで学力を上げられないからです。
年齢差別を気にするのはその後でも遅くありません。
あと、医学部再受験で失敗する人の中に多いのが独学で受験勉強をしている人です。
市販の参考書を購入して勉強することは費用負担が安く始めやすいですが、全教科で高度な偏差値が求められているので秀才でない限り、独学では限界があります。
医学部再受験で成功する人は、先行投資と割り切って医学部予備校に入学し、専門的な対策をしているひとが多いです。
独学でしか勉強手段がないという人は医学部挑戦を考え直したほうが良いほど、そんなに甘くなないと思っておいたほうが良いでしょう。
医学部予備校の選び方
医学部再受験の合格に一番近い道のりは、専門予備校で対策を受けることです。
大手進学予備校だとサポートが手薄になりがちで、再受験生のようにしっかりと管理が必要な受験生には向いていません。
医学部再受験生は、まずは基礎学力の構築から徹底させる必要があり、ゼロから着実に学力が定着できるよう講師との距離が近い少人数教育のもと丁寧な指導を受ける必要があります。
また、途中でドロップアウトしてしまわぬようモチベーションの維持も重要になるため、メンタルのケアも充実している医学部予備校がおすすめです。
いつでも生徒一人ひとりに目が行き届き、面談も定期的に実施ている予備校なら小さな変化も見落とすことなく適切なサポートが受けられるはずです。
医学部受験のブームもあって都市部では多くの専門予備校が運営されているので、合格実績も重要ですが、いかに自分が快適に勉強できるかが合否に大きく影響していきます。
相性の良い医学部を見つけ出すためにも、まずはどんな予備校があるかを知ることから始めてみましょう。