医学部再受験を後悔しないためのポイント

今回は医学部再受験生に向けて、後悔しないための情報をご提供します。
医学部再受験生と言っても、その背景は様々。
現役大学生、家庭を持っている人、仕事をしている人、仕事を辞める予定の人など様々な境遇の人がいます。
そんな医学部再受験生は、悩みや後悔を抱える人がとても多いのが現状。
ネット検索で医学部再受験とうつと「地獄」「後悔」という関連ワードが出るほど。
ぜひこの記事を読んで、後悔しない医学部再受験をしてください。
医学部再受験生がよく陥る後悔とは

医学部再受験生は大学受験期だけに関わらず、様々な葛藤を抱えているものです。
よき耳にするのが「後悔しそう」「後悔している」という言葉。
一体どんなことに悩んでいるのか、大学入試の前後に分けてご紹介していきます。
受験期〜最も葛藤を抱える人が多い時期〜
まずは大学受験期。
そもそも医学部再受験生は社会的背景やその動機など、人により状況や置かれている環境が様々。
東大出身・エリート企業で仕事して医師を志す場合と、現役の文系大学生が志す場合、40代で大志を抱いた場合など人によって状況・条件が異なります。
往々にして後悔などの悩みを抱えるのは、それ相応の環境・不利な状況にいる人のようです。
受験大学選び【国公立or私立?】
近年明るみに出た「医学部受験差別問題」。
某大学の大学入試における女子差別の露呈から始まったこの問題ですが、他大学医学部の多浪生・再受験生に関する扱いについても触れられていました。
実のところ、国公立大学私立大学いずれにおいても医学部再受験生の合格割合が大きく異なります。
つまり大学側が公言しないまでも、医学部再受験生に寛容な大学・厳しい(受け入れない)大学が事実存在するのです。
入学試験で非常に手応えを感じたのに結果は不合格。後になってその大学には医学部再受験生はほとんどいないと知り後悔する…。といったことも。
医学部再受験生はぜひ、大手予備校など医学部受験情報サイトなどから念入りな情報収集を行って後悔しない大学選びをしてください。
ちなみに、勉強量という面では受験科目が英数理のみの私立大学がおすすめ。
特に新設医科大学は国試合格率の確保ため、年齢よりも学力重視となる傾向があります。
ただし、医学部再受験に関わらず全ての医学部受験に言えるのが「相性」。
大学選びで最も重要なのはあなたの得意な科目・分野の徹底的な分析です。
後悔しないための利口な大学選びとは、自分の得意分野と大学の試験問題傾向との相性です。
人によっては、むしろ国公立大学の方が入りやすいという医学部再受験生もいるほどでです。
面接・小論文対策【予備校に通っていなかったら?】
受験勉強中は勉強そのものが大変。特に国公立は尚更です。
しかし、秋冬ごろの入学試験前になると突然、面接・小論文に不安を覚える医学部再受験生が少なくありません。
予備校に通っている医学部再受験生はサポートを受けられるので安心ですが、独学いわゆる宅浪の医学部再受験生にとっては悩みの種。やっぱり予備校に入ればよかったと後悔することも。
特に医学部再受験生は面接で後悔しがち。
なぜ医師を志すのか、なんで今なのか、などを根掘り葉掘り聞かれるのではないか、この答えで大丈夫かと不安に思う人がとても多い印象です。
対策不足で後悔しないためにも、不安が大きいようであれば解決する糸口を見つけましょう。
意外と知られていないのは、面接や小論文対策のみを扱う講座の存在。
面接小論文対策で困っている人は、後悔しないためにもぜひそういった講座だけでも予備校などでとることをおすすめします。
入学後〜試験勉強に追われる日々〜
医学部受験生のサポーターをしていると、医学部進学後にも連絡をくれる人がいてとても嬉しいものです。
そんな連絡の中で、最も「後悔・悩み」などの相談が多いのが医学部再受験生。
入学後から不安を抱え、学年が上がるにつれて後悔の念が強まるようです。
特に、医学部6年間はとても長いため、中間地点となる3年生・4年生あたりで「後悔」を口にする例が多く見られます。
医学部再受験のための勉強も大変ですが、医学部入学後も状況は変わりません。
小テストや定期試験で膨大な学習量を強いられ、3,4年次にはCBTという準医師国家試験のような大型試験も。
自分には医師は向いてなかったんじゃないか、このまま本当に学生生活を続けていいのかなど後悔をし始める人が珍しくありません。
将来への不安
これは医学部再受験生の年齢が高ければ高いほど見られるもの。
20代にとっては気になりませんが、人生100年時代とはいえ、30代40代に差し掛かり医学部再受験というのは家族をも巻き込む大変重要な決断です。
医学部卒業後の一般的な進路である臨床医になるには、大学6年間ののち2年間の初期研修そして3〜5年の後期研修を修了して、初めて一人前の医師として仕事ができます。
一人前の医師まで12年。短いと思う人はいません。
結婚・出産・子どもなど、ライフプランを入念に考えて受験しなければどこかで後悔することになります。
また、体力的・精神的にこのまま臨床医になるのは不安、あの研修医のような働きぶりが自分にできる自信がないといった悩みもよく耳にします。
これについては後述しますが、医師としての働き方は様々です。
よほどのことがない限り、医学部再受験を決意したあなたが医師になることを諦めるほど、あなたが体力や精神面で弱いなんてことはありません。
また、医学部合格前後にかかわらず、医学部再受験生の悩みの種となるのが「周囲からの評価」。
親戚などから心ない言葉をかけられたり、間接的に諦めを促させたりすることもあるようです。
そういった環境では、不安が募ってしまって当然でしょう。
どうやって乗り切ればいい?

これまで、医学部再受験生が後悔しがちなこと・タイミングを簡単にご紹介してきました。
医学部再受験生の背景が人によって様々なので一括りに話すこと自体難しいのですが、医学部再受験生が多くの悩みを抱え後悔することが多いことをお分かりいただけたと思います。
重要なのは、その悩みや後悔をどう払拭するか。
ここでは筆者が多くの医学部再受験生に共通してお伝えできるアドバイスをご紹介します。
編入生など、自分と同じ境遇の人は多い
医学部再受験生の後悔の種の多くは、その年齢。
20代の医学部再受験生ですら「年下の同級生ばかりで…」というぐらいですから30代以降の医学部再受験生にとっては尚更つらい事実でしょう。
しかし、そもそも医学部は多浪生が多い世界。中には8浪なんて人も。
また、編入生も同じぐらいの年齢層であることが多いです。
さらに併設されている看護学部や薬学部に目を向けると意外にも再受験生がいます。
ピア・サポートという言葉があるように、同じ境遇の人と状況や不安を共有することは非常に効果的な解決策です。
自分1人ではありません。
勇気が出なければ、医学部再受験生のブログにコメントをしたり掲示板に名無しで相談するなどインターネットを活用してもいいでしょう。
それでも筆者のおすすめはオフライン。
強い後悔、つらい決断に繋がることを防ぐためにも、悩んでいることを信頼できる人に吐露してください。
医師を志した理由を忘れない
医学部再受験を後悔している人の多くが、募る不安や悩みのせいで「自分の意志」を忘れかけています。
医学部再受験生は、その大きな決断をするに至った背景・理由があります。
そしてそのだいたいは、一般的な医学部生の医学部志望理由より圧倒的に堅く素晴らしいものです。
なぜ医学部に興味を持ったのか、医師を志したのか、つらい受験勉強を励んでいるそのバイタリティ・動機はどこから来ているのか。
他の誰よりも医学部受験生本人が一番わかっているはずです。
後悔しそう、後悔しているという人はぜひ、一度自分が医学部再受験を決意した時のことを思い出してみてください。
医者としてのキャリアは様々
一般的には医学部卒業後の進路は臨床医になること。
それ以外の進路として研究医があることはよく知られていますが、まだ他にも選択肢は多くあります。
そもそも臨床医といっても、様々な働き方があります。
医局に所属する医師がほとんどだと思われがちですが、市中病院では医局に属さない医師も多く、そもそも所属病院すらないというフリーの医師もいます。
また、産業医といって企業の労働環境を医学的観点からサポートする医師もいます。
医系技官として行政に携わったり、法医学者や保険の査定医となる進路もあります。
中には、企業をしたり、製薬会社や介護保険施設の施設長、講師などで活躍する人もいます。
医学部再受験生それぞれに野望があり、ぜひそれに向けて日々努力して欲しいものです。
もしも「体力的・精神的に後悔しそうだ」「悩みが耐えない」というのであれば、後悔してしまわないためにも、このように様々な進路があることも忘れないでください。
勉強計画〜再受験は始める時期と引き際が肝心〜

ここまで、医学部再受験生が後悔する種となること、それに対する重要なアドバイスをご紹介してきました。
ここでは、医学部再受験生が後悔しないための勉強計画として
後悔しない「本格的に医学部再受験の勉強を始めるおすすめの時期」
そして、後悔しない「医学部再受験の引き際のタイミング」をお伝えします。
後悔しないための「医学部再受験を始める時期」とは
なかなか合格することができず医学部再受験を後悔している人の多くは、その受験プランにあると言えます。
では、医学部再受験生の受験計画の中で悩みの種となる一つ、始める時期はいつがいいのでしょうか。
思い立ったらすぐやるのが一番!という人もいるでしょうが、それではダメ。
厳しい言葉にはなりますが、「本当に医学部再受験をするのか」改めてしっかり深く考えてください。
これまでご紹介したように、医学部進学後の道は決して楽なものではありません。
今の大学、家庭や仕事を犠牲にしてまでも、つらいきつい膨大な勉強量を乗り越えてまでも、医学部に進学したいのか。後悔しないための固い意志を築いてください。
では、医学部再受験を始める最適な時期とは。
それは、「模試を受けて自分の実力を知ってから決める」というのが筆者の答え。
多くの医学部再受験生が、大学受験に対してブランクがあります。
さらに当時の学習内容と今の出題範囲とでは異なる点があることもしばしば。
まずは大手予備校の共通テスト模試・記述模試を受験し、実際の試験問題がどんな感じなのか、どのくらい解けるのかなどを第三者に分析してもらいましょう。
その上で、「最低でも1年前から」勉強を開始しましょう。
30代以上の医学部再受験生については、受験科目の分野に精通しているなどの例外でもない限り、2年前から受験勉強を始めることを強くお勧めします。
後悔しないための「引き際」とは
なかなか合格できない医学部再受験生が後悔する原因として最も多いのがこの「引き際」。
つらい現実ではありますが、医学部再受験を決意したからといって必ずしも大学に合格するわけではありません。
医学部再受験が狭き門だということは既知の事実。
入学試験を突破するだけの学力がなかなか身につけられないのであれば、あなたの人生のためにも諦めるという決断も大事なのです。
医学部再受験生が後悔しないための引き際のタイミングとは、
「医学部再受験を決意した時に決めておく」です。
受験勉強が始まってしまうと、なかなか諦めきれないもの。あと何点で合格だったからもう1年やれば受かるんじゃないか。不合格だから諦めたものの、心の中はまだモヤモヤしている。そんな気持ちを抱えて後悔している人を多くみます。
だから、引き際は「事前に決めておく」ことを強く強くお勧めします。
きっと医学部再受験を決意し、勉強を始めようとするまでの間に、家族と話を重ねているはずです。
そこで必ず、「いつまでに結果を出す。無理なら諦める」と明言しておくのです。
そうすると家族としてもサポートがしやすくなるのです。
前述したように、後悔しない医学部再受験をするためには、周囲の良い環境・サポートが必要不可欠。
期限付きで本気で頑張るということを示せば、家族も前向きに考えてくれるはずです。
引き際を決めたら後は突っ走るのみ。
状況によって一様にはお勧めできませんが、筆者は「大学も仕事も可能な限り減らす・やめる」ことを勧めています。
医学部再受験のライバルは高校生・浪人生。彼らの受験勉強生活を想像すればその理由は明瞭でしょう。
医学部再受験生はただでさえビハインドがあるので、勉強時間を最大限に確保する必要があるのです。
すでに勉強を始めてしまっている医学部再受験生は、まずは「意志の確認」から始めましょう。後悔しないだけの固い意志を持っているか、自問自答してください。
そして、その意志の固さと、これまでの努力、直近の模試の成績を受けて、なるべく早く「引き際」を設定することを強く勧めます。
まとめ〜後悔しない医学部再受験を〜
この記事では、医学部再受験生に向けて、後悔しないための情報をお伝えしました。
医学部再受験生はその苦悩から、悩みや後悔を抱えることが非常に多いです。
この記事を読んでいる医学部再受験生の皆さんは、ぜひ参考にしていただき、その大志を叶えていただきたいと思っています。
医学部再受験を後悔・失敗しないための乗り切り法や勉強計画などのポイントを踏まえて「将来医師になる」という夢を実現してください。