福井大学の医学部再受験情報・対策方法・入試結果を解説

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2021年度入試では穴場となった福井大学医学部について解説。

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福井大学

2022年度入試は、前年に引き続き2回目の共通テストが実施されるなど受験業界には大きな変化が起きた年でした。

そんな中、医学部界で注目となったのが福井大学医学部です。

前年の実質倍率が2.82倍とであったのに対し、2022年度には倍率が3.98倍と上昇しています。

「受験は情報戦」。

この記事では、医学部再受験に向けた福井大学の概要から勉強法まで、盛りだくさんの情報をお届けいたします。

ぜひ、医学部再受験の候補として福井大学を検討してみてください。

福井大学医学部医学科の概要

福井大学医学部医学科の概要
キャンパス 松岡キャンパス
住所 〒910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
大学ホームページ https://www.u-fukui.ac.jp/
アクセス JR福井駅西口1番バス乗場から約35分、福井大学病院下車。
沿革 昭和53年に福井医科大学医学部を設置。平成15年に福井大学医学部となった。

カリキュラム

福井大学医学部医学科は、1年生から病棟看護体験実習や人体解剖学、メディカルプロフェッショナリズム教育によって早期から高度専門職業人としての意識づけが行われます。

また、医科学研究研修も1年生から取り入れられており、臨床・教育ともにかなり早い段階から将来を意識することが可能です。

そのほかの特徴として、「放射線医学」「救急医学」「総合診療学」が有名。

福井県には原発が稼働していて、また最先端放射線治療が可能な設備も導入されていることで、放射線医学については他大学より深く扱っているようです

救急医・総合診療医を目指す学生にはおすすめ

福井大学には医療界で名前を知らない人はいないとまで言われるほど有名な林寛之先生が在籍。福井大学では救急科長・総合診療部長・教授を務めています。

全国の研修医が一度は購入する救急診療のバイブル本の著者でありながら、現役医師だけでなくコメディカルや医学生ときには高校生にも分かりやく面白い内容で指導にあたる、かなり珍しい先生です。

医学部再受験生に限らず、毎年福井大学の受験生の中には「救急医志望」や「林先生がいるから」を理由にする学生が数人必ずいるほど。

救急医を志す医学部再受験生は決して多い印象はありませんが、医師への志望動機から近年話題の「総合診療医」を考えている医学部再受験生はかなりいます。もし総合診療に興味があれば、福井大学を考えてみてください。

学生生活

福井大学の学費は国立大学なので6年間総額が350万円。

日本学生支援機構の奨学金であれば医学部再受験生でも特に問題なく貸与を受けることが可能なので生活にかかる費用は特段高くはないでしょう。

ここでは、簡単に福井大学に入学した場合の学生生活について触れていきます。

最短での医学部卒業が見込める

進級率は比較的高く、2022年度最新のデータでは福井大学のストレート合格率は80.9%

国公立の医学部42校のうち15位と真ん中よりやや上といったところです。

また、福井大学の医師国家試験合格率は、過去10年平均で91.1%

合格率は年々上昇傾向にあり、2022年には94.7%(新卒97.2%)という数字をたたき出しています。

国公立大学の平均合格率よりも高く、福井大学のカリキュラムが優れていることがわかりますね。

福井大学は医学部としての質が高く、なるべく時間をかけずに卒業した医学部再受験生にとってはうってつけの大学であるといえるでしょう。

地方大学の中では大学周辺が比較的充実

福井大学医学部は松岡キャンパスという市街地から離れた場所にあり、近くにスーパーなどがあるものの、生活には車が欠かせない環境。

ただし、車で数分走れば8号線という北陸では主要な幹線道路に差し掛かるため、地方国公立の中でも比較的立地は悪くないと評価されます。

キャンパスが位置するのは禅宗の総本山で有名な永平寺のある町で、大学周辺は田んぼが多くのどかなため、静かな環境で集中して勉強したい医学部再受験生にはおすすめです。

また、実際に福井大学の受験生・合格者は医学部再受験も含め、関西出身の人が多いのが現状。

というのも、福井大学は滋賀・京都・大阪へのアクセスがよく、都心部まで4時間程度。日帰りは難しいものの、気軽に帰省することもできるため、福井大学は単身で学生生活を送る予定の医学部再受験生などにも人気の大学です。

医学部再受験生の入試対策

医学部再受験生の入試対策

福井大学の偏差値は、2022年度駿台・河合塾発表平均で65.0。国公立では中堅レベルです。

二次試験については後述しますが、福井大学の一般試験は標準的な問題が多く、文系の医学部再受験生でも合格可能性のある大学です。

また、福井大学は共通テスト重視型の配点をとっているため、医学部再受験生は受験の基本でもある「基礎の徹底」を怠らなければ、十分に合格が見込めるでしょう。

特徴的な受験層

前述のように、福井大学は医学部再受験に限らず関西出身者の受験生が目立つのが特徴。

実際に福井大学が発表している志願者データを元にすると、例年、約3割が北陸、5-6割が関西・東海出身者(ほとんどが愛知・京都・大阪)となっています

これは入学者データでもほぼ同様。

関西・東海地方には中堅〜難関レベルの医学部が充実しているものの、下位を構成する大学が少ないのが実際。

そのため、地元医学部に届かない受験生が福井大学に流れる構図になっているのです。

冒頭で福井大学の直近の実質倍率が異例な数字であったことに触れましたが、このように受験層が特徴的であることが一つの要因と言えます。

一概に受験倍率の動向は推察できないものですが、医学部再受験においても、福井大学を受験するのであればこの受験層の特徴については知っておくべきでしょう。

医学部再受験生への寛容度

では、実際福井大学は医学部再受験にはどのぐらい寛容なのか。

過去の医学部再受験生入学人数を見てみましょう。

年度 性別 18歳 19歳 20〜22歳 23〜29歳 30〜39歳 40歳以上 合計
2022 33 21 13 2 0 0 69
20 15 6 0 0 0 41
2021 22 24 12 4 2 0 64
22 17 6 0 1 0 46
2020 22 26 20 3 2 0 73
16 17 2 2 0 0 37
2019 18 36 15 2 1 0 72
11 16 12 0 0 0 39
2018 23 20 13 4 1 0 61
16 15 14 3 2 0 50
2017 22 22 12 3 1 0 60
15 25 7 1 2 0 50
2016 23 26 20 1 0 0 70
18 11 10 1 0 0 40

こちらは文部科学省公式発表のデータからまとめた、各年度の男女別入学者数です。

医学部再受験というと22歳以上がほとんどですので、右側3列に注目ですが、毎年2桁までは行かないまでも、複数人の入学者が認められます。

2022年度は23歳以上の合格者が男女合わせて2人と例年に比べて少なくなっています。原因としては倍率が急上昇たことが考えられます。

医学部再受験生に寛容な大学となると、10名〜20名前後の入学者がある大学もいくつかあるため、福井大学は医学部再受験に「やや寛容」という評価になります。

福井大学を目指す医学部再受験生におすすめの他候補はどこ?

福井大学を目指す医学部再受験生におすすめの他候補はどこ?

福井大学医学部は医学部再受験生にとってやや寛容であることが分かりましたが、福井大学以外に同じ偏差値レベルで、同じくらい医学部再受験に寛容な大学はあるのでしょうか。

ここでは、駿台・河合塾の平均偏差値と22歳以上の合格・入学者数をもとに福井大学を目指す医学部再受験生におすすめの他の候補を取り上げていこうと思います。

各データは、それぞれの大学の公式サイトからの数値なので情報は正確です

医学部再受験生の志望校選択で参考にしてもらえたら幸いです。

信州大学医学部

長野県松本市にある信州大学医学部は、駿台・河合塾平均偏差値が66程度であり国公立中堅レベルで難易度的には近いです。

比較的松本市の都心部にあるので入学してからの生活がしやすいところや、珍しく全学と医学部が同じキャンパスで人気がある大学です

また、意外と東京都心からのアクセスがよく、関東の難関国公立・私立医学部にとどかない学生が受験することが多い模様。

そんな信州大学のここ4年間の22歳以上の医学部合格者数を見てみましょう。

年度 性別 22歳以上
2022 12
1
2021 8
0
2020 10
2
2019 5
2

福井大学と同様、7から12人ほどの22歳以上の合格者がいることがわかります。

したがって信州大学医学部も医学部再受験にやや寛容であるといえます。

福井大学医学部と同難度の大学として把握しておくとよいでしょう。

三重大学医学部

三重県津市にある三重大学医学部は、駿台・河合塾平均偏差値が67程度であり福井大学医学部よりはやや難度があがりますが、問題が易しめなのが特徴であり、典型的な易問高得点勝負型の入試となります。

またかつては面接で医学部再受験生に厳しい教授が一名いたが、定年退官されてよりいっそう再受験生に寛容な面接になっているとの情報もあります

三大都市である名古屋へのアクセスがよく、また信州大学と同様に珍しく全学と医学部が同じキャンパスのため人気がある模様。

三重大学のここ4年間の22歳以上の医学部合格者数を見てみましょう

年度 性別 22歳以上
2022 16
1
2021 14
1
2020 11
4
2019 11
1

三重大学はここ3年間の数字で、22歳以上の医学部合格・入学者が10人を超えていますので、福井大学以上に医学部再受験生に寛容であると言えます。

また年度によっては40代の医学部再受験の入学者も出ていると言われており、医学部再受験生にとってはかなり人気が出ると予想されます。

したがって学力にやや自信があるのであれば偏差値的にはやや上になりますが、福井大学以上に再受験に寛容なので受験する価値がありそうです。

【医学部再受験】福井大学のおすすめ勉強法

【医学部再受験】福井大学のおすすめ勉強法

英語

福井大学の英語は長文3題+自由英作文で試験時間110分。

長文問題は2問標準的で、1問がやや難。自由英作文は80-90語程度。

全問が記述式なので、スペルミスや正しい文法を使うことを意識して勉強しましょう。

単語帳は『 DUO 3.0』を利用すれば、医学部再受験としてはどこの大学でも十分。

医学部再受験の場合は英語が得意でも入試英文法はまだまだな人が多いので、『Next Stage』を利用して入試英文法をひとさらいすることが必要です。

また、福井大学の英語では会話形式の英語が必ず出題されることも特徴。

医学部再受験の多くは英語が得意な人が多いので、この会話形式の出題は有利とも言えるでしょう。

数学

福井大学の数学は大問4題で試験時間110分。

難易度は標準〜やや難レベルですが、比較的時間に余裕がある構成なので、ミスなく解き進めることがカギとなります。

6割5分程度の得点率を目指して、「標準的な問題を確実に解く」ことを目標にしましょう。

頻出単元として、微分・積分とベクトルがあり、どちらも医学部再受験生が比較的苦手にしやすい分野。

医学部受験としては難問とまでは言わないレベルなので、医学部再受験生はしっかりと対策をしておきましょう。

医学部再受験の場合は、『入試数学理系の核心』(Z会出版)を参考にして勉強するのもおすすめ。

『チャート式』(数研出版)などで網羅的に勉強する傍ら、医学部再受験ではこの理系の核心で勉強して典型問題を確実に解けるようにするべきです。

理科

福井大学の理科は、2科目で試験時間120分。

合格者の2-3割が生物選択者と医学部入試としては珍しく、物理と数学のどちらを選択しても優越がつかない結果となるでしょう。

難易度も標準的で、理系ではない医学部再受験生でも対策勉強がしやすいと言えます。

【物理】

福井大学の物理は大問2題。難易度もやや易〜標準的

時間にも余裕があり、出題範囲も満遍なく出ている傾向です。

医学部再受験では、「苦手分野を作らない」「融合問題になれる」ことを意識して勉強することがおすすめ。

『良問の風』などで典型問題に触れ、確実に正解できるように勉強を進めましょう。

なお、福井大学の物理は5年毎に出題傾向の変化が見られているため、確実に合格を決めたい医学部再受験生は全部解かないまでも、10年分ほど遡ってどんな内容が出題されていたかを把握しておくとよいでしょう。

【化学】

福井大学の化学はここ数年で大問数の変動がありますが、難易度は標準的

無機化学でほぼ必ず1題出されていたり、論述はやグラフの描出問題の頻度が高いことなどが特徴です。

また、計算問題についてはほぼ全てで導出過程が求められるため、時間配分は事前に確認しておく必要があります。

基本的な知識はもちろん、思考過程も問われることがあるので、ただ暗記していくのではなく「理解」を目指す勉強をお勧めします。

医学部再受験の場合は『化学重要問題集』(数研出版)を何周もして、わからない問題がなくなるまで繰り返して勉強することが必要です。

【生物】

福井大学の生物は大問3題。

難易度も標準的ですが、医学部らしく免疫系、消化器系、生殖系などと人体に関係ある分野の問題が多く出題されます。

具体的には、「刺激と反応」「生物と体内環境」「バイオテクノロジー」など。

医学部入学後に学ぶような高難易度の設問も見受けられますが、医学部再受験生に限らず、そのような高難易度の対策ではなく着実に典型問題を得点する学習を積み重ねていきましょう。

医学部再受験生の中でも一から生物を学ぶ場合は、『大森徹の最強講義』で全範囲を満遍なく勉強する方法がおすすめ。

すでに生物を勉強している医学部再受験の場合は、『重要問題集』などで特に人体関連の問題はわからないことがなくなるまで勉強すると良いでしょう。

面接

福井大学の面接では、「人間性、自主性、思考力、表現力、責任感など医学科学生としての適正、能力を評価する」と公式に謳われています。

医学部再受験生は、「なぜ今医学部なのか」「なぜ現役じゃないのか」など、医学部再受験特有の面接の質問に答えられるようにすることはもちろん、社会問題などに対しても自身の意見を明確に伝えられるように練習しましょう。

面接の練習は、予備校の先生や友人などなるべく複数人にお願いするとより良いものになります。

小論文(後期)

福井大学の後期選抜では。共通テスト・面接・小論文で評価が行われます。

小論文の内容は以下のように記載されています。

"課題(和文、英文の両方又はいずれかで出題)の理解力、論理の構成力、文章表現力等を評価する"

実際には、課題文読解型で、字数は毎年1200文字。

有名な著書や新聞記事、科学雑誌から引用された課題文に対し、倫理観や論理構成力を問うような問題が出題されています。

英文が引用されることもあるため、英文読解は医学部二次試験レベルに対策しておく必要があります。

また、「医学と倫理の関係」「医学とは具体的に何を学ぶ学問か」など、医療に関連した課題も毎年出題されているため、医学部再受験生としても医療問題などには事前に知識を深めて対策しておくことをおすすめします。

なお、最新の2021年度入試の過去問は福井大学のHPでも確認することができます。

福井大学一般入試の試験結果【2022年】

一般入試の試験結果【2022年】

福井大学医学部の一般入試は前期試験と後期試験を実施。

また、一般入試の他に学校推薦型入試Ⅱとして、全国枠・地域枠・福井健康推進枠が設けられていますが、1浪までと制限があるため医学部再受験では受験資格がありません。

学士編入試験についても、福井大学は毎年5名の定員を設けていますが、今回は医学部再受験の一般入試にとどめて、まとめて解説します。

前期日程の志願者倍率(過去5年推移)

年度 2022 2021 2020 2019 2018
定員 55 55 55 55 55
志願者数 370 193 261 219 223
受験者数 219 158 219 183 184
総合格者数 55 56 55 58 58
倍率 3.98 2.82 3.98 3.16 3.17

なお、ここでは倍率=受験者数/総合格者数として、実質倍率(競争率)で算出しています。

例年3-4倍で推移しており、国公立医学部前期入試の倍率としては福井大学はやや低めと言えます。

なお、2021年度受験では大きく志願者数が減少しており、2022年度狙い目の大学でもあります。

後期日程の志願者倍率(過去5年推移)

年度 2022 2021 2020 2019 2018
定員 25 25 25 25 25
志願者数 397 320 393 252 466
受験者数 50 87 41 48 80
総合格者数 25 28 25 25 26
倍率 2.00 3.11 1.64 1.92 3.08

なお、ここでは倍率=受験者数/総合格者数として、実質倍率(競争率)で算出しています。

このように実質倍率で見比べると、後期試験とはいえ医学部入試では珍しい2倍を切る倍率の年度もあったことがわかります。

二段階選抜があるなど、ハードルはそれなりにありますが、医学部再受験生としてはぜひ後期試験の出願校候補に福井大学を入れておくべきです。

なお、2021年度後期入試では、前期入試と対して実質倍率が上がってしまっているのがわかります。

【2023年】福井大学一般入試の試験科目と配点

【2023年】福井大学一般入試の試験科目と配点

前期日程の試験科目と配点

試験 数学 理科 英語 国語  地歴・公民 面接 総合点
共通テスト
(旧センター試験)
200 200 200 200 100 - 900
2次試験 200 200 200 - - 100 700
合計 400 400 400 200 100 100 1600

地歴・公民は、世B・日B・地B・倫政経から1科目。

理科は共通テスト・二次試験ともに指定なし。

共通テスト:二次試験=56.3%:43.8%

となっており、福井大学前期入試は共通テスト重視型の配点となっています。

医学部再受験生はこれを踏まえ、基礎知識の徹底と共通テスト対策に少し重きを置くと良いでしょう。

後期日程の試験科目と配点

試験 数学 理科 英語 国語  地歴
公民
面接 小論文 総合点
共通テスト 100 100 100 100 50 - - 450
2次試験 - - - - - 120 100 220
合計 100 100 100 100 50 120 100 670

地歴・公民は、世B・日B・地B・倫政経から1科目。

理科は指定なし。

小論文は、和文・英文のいずれかまたは両方で出題。理解力、論理の構成力、文章表現力などを評価。

共通テスト:二次試験=67.2%:32.8%

となっており、福井大学後期入試も大きく共通テスト重視型の配点となっています。

国公立大学の出願は共通テスト後にあるため、自己採点で点数が振わなかった医学部再受験生は、二次試験重視型の大学に変更するといいでしょう。

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