
医学部人気はとどまることを知らず、国公立、私立ともに医学部の難易度は非常に高くなっています。
人気のあまり、医学部再受験というものも最近ではメジャーになりつつあります。
今回紹介する近畿大学医学部は医学部再受験生にも人気の大学となっており、比較的入りやすい大学となっています。
今回はこの近畿大学について、医学部再受験生に対する寛容度を紹介したのち、試験勉強法を紹介していきたいと思います。
近畿大学医学部医学科の特徴・カリキュラム

まずは医学部再受験生向けに近畿大学医学部の特徴とカリキュラムを紹介していきたいと思います。
医学部医学科の特徴
近畿大学は医学部だけでなく総合大学としても有名です。
全学部合わせて3万人近い学生数を誇り、日本の大学の中でも学生数ランキング上位に入っています。
総合大学であることは医学部の学生にとってもメリットが大きく、薬学部と連携したり、理工学部と医療用のレーザーの研究を行ったりと総合大学としての強みが発揮されています。
それ以外にも教育面では少人数制の授業を多くしたり、問題解決型の教育を実施したりとカリキュラムにも工夫がされています。
少人数制ですと医学部再受験生も友達が作りやすくなるので周囲になじみやすいのではないでしょうか。
6年間のカリキュラム
1年次の前期では基礎的な事項を勉強します。倫理や人権などを勉強するほか、実際に病院へ行って患者さんへの対応を見学する実習もあります。
2年次から4年次にかけては臨床の勉強が始まります。
臓器、器官別に授業が分かれているため効果的、効率的に勉強をすることができます。
4年次の後期から6年次にかけて臨床実習が行われます。
患者さんと接したり、治療の現場に参加することで今まで勉強したことの再確認や知識の肉付けを行います。
6年次の後期からは国家試験に向けての勉強を行います。
近畿大学では6年生向けに自習室が用意されており、良い環境で勉強することができます。
基本情報
キャンパス | ■大阪狭山キャンパス |
---|---|
住所 | 〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2 |
男女比率 | 男66.3 : 女33.7 |
医学科公式HP | https://www.kindai.ac.jp/medicine/ |
医学部再受験生への寛容度

次に近畿大学の医学部再受験生に対する寛容度を紹介していきたいと思います。
まずは文部科学省が公表している平成30年度における22歳以上受験生の近畿大学の受験者数、入学者数の表を紹介したいと思います。
受験者 | 892 |
---|---|
合格者 | 25 |
合格率 | 2.8% |
近畿大学の平成30年度における医学部再受験生の合格率は2.8%となっていました。
なお、受験生全体での合格率は8%となっているため、医学部再受験生の合格率は若干低いですね。
22歳以上の受験生の中には医学部再受験生以外にもとりあえず受験している層や4浪以上の受験生が含まれている可能性もありますが、近畿大学は医学部再受験生に対して寛容でも不寛容でもないといった感じになると思います。
医学部再受験合格に必要な試験勉強法

それではここから医学部再受験合格に必要な勉強法を紹介していきたいと思います。
英語
まずは近畿大学の英語について解説していきたいと思います。
制限時間は60分となっており、大問4問構成となっています。形式としては文法、語彙の問題が1問と長文が3問となっています。
文法、語彙は分量が多いため、医学部再受験生は効率よく解けることを目標としましょう。共通テストレベルの問題もいくつか出題されるので取りこぼしはなくすようにしましょう。
長文は3題出題されるのですが、医学系の長文や難易度の高い長文が出題されることがあります。
問題の中でも難易度の差が大きいため、医学部再受験生は落ち着いて解ける問題を見極めましょう。
医学部予備校の予想ですと合格者でも得点率は60%前後であるためあまり気負いすぎないことが重要です。
数学
次に近畿大学の数学です。大問3問構成となっていて、答えのみを記入する問題と記述の問題の両方があります。
特徴としては数学Ⅲが出題されないことが挙げられます。
かといって問題は簡単なものばかりではなく、一部かなり難易度の高い問題も出題されるので注意です。
入試科目の中では比較的差がつきやすいと思うので数学が苦手な医学部再受験生は要注意です。
理科
物理
次に物理の入試問題について紹介していきます。
大問3問構成となっています。
例年力学が出題されているので2023年も力学は出題されると予想されます。
残りの2題は電磁気や熱、原子、波動から出題されていることが多いです。
試験問題の難易度はそこまで高くはないため、基礎がしっかりできているかどうかで差がつくと思います。
近畿大学では理科は2科目通して行われるため、試験時間の配分は過去問演習の時から意識しておくようにしましょう。
化学
次に化学の入試問題について解説していきます。
近畿大学の化学は大問3題の構成になっており、理論、有機、無機のすべての分野から出題されています。
いずれの分野も難易度自体はそこまで高くはないのですが一部計算量の多い問題も出題されているようです。
逆にいえば計算量さえ克服すれば100点を狙うことも十分可能なので、医学部再受験生はまず過去問に目を通してみることをおすすめします。
生物
最後に近畿大学の生物についてです。
例年大問4問構成となっています。
ほぼ毎年免疫の問題が出題されていたのですが2022年度は出題されていませんでした。
2023年度は出題されるかどうかは不明ですが過去の傾向からするととりあえず対策して損はないかと思います。
そのほかの特徴として空欄の穴埋め問題が多く出題されていることが挙げられます。
数が多く、時折難しい知識が問われることもあるので医学部再受験生は問題集などで個別に対策することをおすすめします。
近畿大学の一般入試情報・選抜概要(2023年度)

ここからは近畿大学の入試情報について紹介していこうと思います。
近畿大学には推薦入試などのように様々な入試形態があるのですが、今回は医学部再受験生が主に受験するであろう一般入試と共通テスト利用入試について紹介していこうと思います。
前期A日程、後期
科目 | 英語 | 数学 | 理科 (2科目) |
小論文 面接 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|
点数 | 100 | 100 | 200 | 点数化なし | 400 |
こちらは前期のA日程と後期の科目、配点の表ですね。
1科目100点の配点となっており、小論文、面接の点数化はありません。
近畿大学の入試問題は全体的に標準レベルの問題が出題されていますが、一部非常に難易度の高い問題も出題されているので医学部再受験生は演習量を積み、落ち着いて解ける問題を確実に拾うようにしましょう。
共通テスト利用入試
前期
科目 | 英語 | 数学 | 理科 | 小論文 面接 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|
点数 | 100 | 200 | 200 | 点数化なし | 500 |
中期
科目 | 英語 | 数学 or 国語 |
理科 | 小論文 面接 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|
点数 | 100 | 100 | 200 | - | 400 |
後期
科目 | 英語 | 数学 | 国語 | 理科 | 小論文 面接 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
点数 | 100 | 100 | 100 | 200 | - | 400 |
※数学、国語、理科から2科目選択
近畿大学の共通テスト利用入試は前期、中期、後期の3つに分かれています。
それぞれ試験科目、配点が異なっているので医学部再受験生は自分がもっとも高得点を狙える組み合わせで出願するとよいでしょう。
近畿大学の入試結果(2022年度)

次に近畿大学の入試結果について紹介します。
前期A日程
志願者数 | 1496 |
---|---|
合格者数 | 118 |
後期
志願者数 | 534 |
---|---|
合格者数 | 13 |
共通テスト利用
志願者数 | 747 |
---|---|
合格者数 | 59 |
こちらが近畿大学の受験者数と合格者数の表です。
私立医学部なのでどの入試形態も倍率が非常に高いです。
医学部再受験生は自分の受ける方式を絞って対策するのがおすすめです。
まとめ
今回は医学部再受験生向けに近畿大学の寛容度、対策方法を紹介していきました。
近畿大学医学部は医学部再受験生に対してそこまで不寛容でもないので受験校としておすすめです。
入試科目のパターンも多いので医学部再受験生は自分が最も強みを発揮できる方式で勝負したいですね。
また、肝心の入試問題の方は標準レベルの出題が多いものの一部かなり難易度の高い問題も出題されており、ある程度対策をしておかないと本番で戸惑ってしまうようなものとなっています。
医学部再受験生は落ち着いて、解ける問題のみを確実に解きたいですね。