横浜市立大学医学部医学科

横浜市立大学医学部医学科は、1947年に横浜医科大学として開学する旧制医学専門学校をルーツにもつ医学部です。
1年次は金沢八景キャンパスで教養科目を他学部生と一緒に履修し、2年次以降は福浦キャンパスで医学施文教育科目を履修することになります。
2年次からは基礎医学の学習が始まり、3年次からは社会医学や臨床医学がスタート。
4年次には研究実習として、一学期間、医学研究を体験するために基礎医学教室または臨床医学教室に所属して、科学者としての医学研究の考え方や方法を勉強していきます。
5年次からは臨床実習が始まり、附属病院を中心に上級医の指導・監督のもと、これまで勉強したことを実践で経験を積むようなカリキュラム構成となっています。
留年率は平均より低い
医学部は進級判定が厳しく、大量の留年者が出てしまう大学も少なくありません。
横浜市立大学医学部は2020年度に文部科学省が実施した調査によると、2014年入学者の6年間ストレート卒業率は85.6%でした。
公立大学医学部の平均が87.5%だったので横浜市立大学医学部の留年率は少し高めですが、国立大学医学部のストレート卒業率が85.2%だったので平均並みと言えるでしょう。
医師国家試験の合格率トップクラス
続いて横浜市立大学医学部の医師国家試験合格状況について確認してみましょう。
2020年度に実施された医師国家試験では、合格率は96.9%と国公立・私立合わせて横浜市立大学は第12位。
平均合格率が92.1%だったので、横浜市立大学の国家試験合格率は医学部の中でも高いほうになります。
医学部再受験の場合、年齢的にも早くキャリアをスタートさせるためにも、留年率が低くて国家試験合格率が高い横浜市立大学医学部は魅力的です。
医学部再受験生へのおすすめ度
難易度が高く偏差値を上げることが課題
横浜市立大学医学部は神奈川県にある唯一の国公立であるため、現役生・浪人生に関係なく人気は高いです。
しかも関東の横浜という立地柄、多くの受験生が集まるため、合格難易度は医学部再受験に関係なく高め。
年齢に寛容かどうかの問題よりも、まずは合格に必要な偏差値・学力を伸ばすことがハードルとなります。
ちなみに河合塾の偏差値では67.5と、旧帝大学医学部に匹敵する難易度を誇っており、医学部再受験生にとっては旧帝大理系出身など勉強が得意な人でないと厳しいのが現実です。
国公立の中では比較的寛容で選択肢に入るが注意も
医学部再受験ということを無視しても偏差値67.5と高い学力が要求されるため難易度が高い横浜市立大学。
では、年齢について寛容であるかどうかについては、比較的寛容な医学部に該当しています。
2018年度に文部科学省が不正入試を受けて全国の医学部を対象に実施した緊急調査によると、横浜市立大学の医学部再受験生が該当するであろう22歳以上の合格者推移は10名以上が出ている年度が多い結果に。
年齢に寛容的ではない大学だと、22歳以上の合格者数が若干名のケースも多く、医学部再受験生ではほとんど合格が見込めません。
したがって、横浜市立大学は医学部再受験生にとっては志望大学の候補になり得る大学の1つと言えます。
ただし、2020年度の入試では22歳以上の合格者が0であったため、医学部再受験生にとっては2020年度に続き2021年度の動向も踏まえ注視する必要があります。
年度 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|
2018年 | 36 | 7 |
2017年 | 35 | 12 |
2016年 | 38 | 11 |
2015年 | 29 | 10 |
2014年 | 38 | 10 |
※22歳以上の受験者数及び合格者数
女子の医学部再受験生にもおすすめ
横浜市立大学は医学部再受験生にとってもおすすめの大学ですが、女子の医学部再受験生にとってもおすすめと言えます。
上記と同様に緊急調査結果の資料によると2013年から2018年までの6年間の男女別合格率は下記のように、横浜市立大学では性別による大きな差はありません。
男子合格率 | 女子合格率 |
---|---|
38.81% | 32.12% |
また、下記の表のように2020年度の入試結果によると、入学者の約4割が女性を占めており、国公立大学医学部の中で横浜市立大学医学部は女子学生の割合が多いので、入学後の交友関係なども魅力。
医学部再受験や女子という年齢や性別で差別を実施していないクリーンな大学の1つと言えるでしょう。
志願者 | 合格者 | 入学者 | |
---|---|---|---|
男子 | 137名 | 52名 | 44名 |
女子 | 103名 | 32名 | 30名 |
横浜市立大学医学部の基本情報
キャンパス | 福浦キャンパス |
---|---|
住所 | 〒236-0004 横浜市金沢区福浦3-9 |
学費 | 約350万円 |
男女比率 | 59:41(入学者割合) |
医学科公式HP | https://www.yokohama-cu.ac.jp/med/index.html |
2020年度一般入試の試験結果
横浜市立大学医学部医学科は前期日程のみの試験を実施。
なお、2021年度の入試から足切りに原則として「共通テスト(旧センター試験)750点以上」と基準を設けました(3倍は変わらず)。
医学部再受験生が気になる横浜市立大学の面接試験は段階評価で点数が明確に設定されていませんが、医学部を志望する理由などしっかりと質問されたことに回答すれば十分に合格を実現することが可能です。
医学部再受験を理由に低評価になることはないと思っておいて良いでしょう。
前期日程の合格者数と志願者倍率
募集定員 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数※ | 志願者倍率 |
---|---|---|---|---|
74 | 240 | 198 | 84 | 2.86 |
※追加合格者10名を含む
前期日程の試験科目
試験科目 | |
---|---|
共通テスト | 1000点 |
英語 | 400点 |
数学 | 400点 |
理科(2科目選択) | 400点 |
小論文 | 段階評価 |
面接 | 段階評価 |
合計 | 2200点 |