
福岡県内には全国でも医師資格を取ることが出来る教育機関が九州大学・産業医科大学・久留米大学・福岡大学の4校と全国的にも多く設置されており、再受験に寛容な大学も存在します。
今回は福岡での医学部再受験について、合格のための対策法やおすすめの医学部予備校を紹介します。
福岡にある医学部設置大学と寛容度

ここでは、福岡県の医学部設置大学について、その再受験寛容度を含め解説していきます。
九州大学
大学改革支援・学位授与機構によると2022年度九州大学医学部合格者の年齢の内訳は以下のとおりになっています。
年齢 | 18歳 | 19歳 | 20歳 | 21歳 | 22歳 | 23歳 | 24歳 | 25歳 | 26歳 | 27歳 | 28歳 | 29歳 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
男 | 45 | 18 | 7 | 2 | 2 | 1 | ||||||
女 | 24 | 5 | 6 |
2022年度のデータから再受験生にとっては不利な結果にみえます。
しかし、「医学部不正入試」が発覚する以前のデータからは22歳以上の入学者数の割合が他国公立大よりもかなり多く、2022年度は理系科目の共通テスト難化により上位大学を敬遠する傾向がみられただけで、九州大学は再受験生に対する寛容度が高いことが推察されます。
なお、2018年度九州大学医学部合格者年齢別内訳は以下のとおりです。
年齢 | 18歳 | 19歳 | 20歳 | 21歳 | 22歳 | 23歳 | 24歳 | 25歳 | 26歳 | 27歳 | 28歳 | 29歳 | 30~34歳 | 35~40歳 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
男 | 37 | 21 | 9 | 4 | 2 | 3 | 2 | 3 | 1 | 3 | 2 | 1 | 1 | |
女 | 8 | 7 | 5 | 1 | 1 | 1 |
2017年度や2019年度も2018年度と同様、多くの再受験生が合格しています。
在校生の口コミでも「再受験生が多くいる」というものが多くあるため、再受験生も年齢の差別の不安を抱えることなく受験できるでしょう。
ただし、個別学力試験では理科教科は物理と化学のみに限られるので注意が必要です。
九州大学基本情報
大学名 | 九州大学 |
---|---|
大学所在地 | 福岡県福岡市東区馬出3-1-1 |
偏差値 | 70.8 |
募集人数 | 前期:110名 |
共通テスト | 5教科7科目(450点満点) 【外国語】英(リスニング含む)・独・仏・中・韓から1 【数】IA(必)IIB・簿、情報→1の計2 【理】物・化・生から2 【国】 【地歴・公民】世B・日B・地理B・倫政経から1 |
個別学力試験 | 【外国語】英(コⅠ・コⅡ・コⅢ・英表Ⅰ・英表Ⅱ)・独・仏から1 【数】IⅡⅢAB 【理】物基・物・化基・化 【面接】 ※面接は、総合判定の判断材料とする |
福岡大学
文部科学省発表の福岡大学2018年度合格者数データは以下のとおりになっており、現役生の合格者が著しく多く、3浪以上の女性合格者が少ないことがわかります。
年齢 | 18歳 | 19歳 | 20歳 | 21歳 | 22歳以上 |
---|---|---|---|---|---|
男 | 22人 | 59人 | 30人 | 13人 | 30人 |
女 | 24人 | 44人 | 16人 | 6人 | 6人 |
2018年12月に文部省は福岡大学など9大学の不適切入試を認定、福岡大学側も調査書の配点に年齢で差をつけたことを公表しています。
その後、福岡大学以外8校は追加合格者を出しましたが福岡大学は追加の合格者を出しませんでした。
このことからも、福岡大学は再受験生には厳しい大学と考えられています。
ただ、2022年度入学者のデータは、現役28名、既卒生113名となっており、2019年に9浪生が合格した情報もあることから、近年はやや緩い傾向になっています。
とはいえ、以前の傾向や現在の入試において小論文が得点化されていないこともあり、「再受験生に寛容な大学」とは言い難いでしょう。
入試問題は基本的な問題が多いですが、近年数学が難化傾向にあります。小論文を一次試験に課すのも特徴です。
福岡大学基本情報
大学名 | 福岡大学 |
---|---|
大学所在地 | 福岡市城南区七隈八丁目19-1 |
偏差値 | 65.0 |
募集人数 | 学校推薦型選抜:40名 一般:65名 共通テスト利用入試:5名 |
一般前期試験科目・配点 | 一次試験(外国語:100点 数学:100点 理科:200点 小論文) 二次試験(面接:50点) |
久留米大学
文部科学省発表久留米大学2018年度合格者数データは以下のとおりです。現役生に対し22歳以上の合格者の占める割合が多いことがわかります。
年齢 | 18歳 | 19歳 | 20歳 | 21歳 | 22歳以上 |
---|---|---|---|---|---|
男 | 15名 | 40名 | 30名 | 16名 | 35名 |
女 | 15名 | 23名 | 8名 | 5名 | 6名 |
また、医学部予備校太宰府アカデミー発表のデータによると2022年度正規合格者の年齢分布は以下のとおり。
年齢 | 18歳 | 19歳 | 20歳 | 21歳以上 |
---|---|---|---|---|
割合 | 17.4% | 29.6% | 26.1% | 26.9% |
3浪以上の合格者が全体の4分の1以上を占めています。
しかも久留米大学は受験生のうち21歳以上のが全体の30%を占める傾向が続いており、全国的に「再受験生に寛容な大学 」と認識されていることがわかります。
久留米大学基本情報
大学名 | 久留米大学 |
---|---|
大学所在地 | 福岡県久留米市旭町67番地 |
偏差値 | 65.0 |
募集人数 | 学校推薦型選抜:約35名 一般前期:約75名 一般後期:約5名 |
一般前期試験科目・配点 | 一次試験(外国語:100点 数学:100点 理科:200点) 二次試験(小論文:50点 面接:50点) |
産業医科大学
北九州市に校舎をもつ産業医科大学は公設民営大学です。
防衛大学校のような受験年齢制限を設けてはいませんが、「産業医」を育てることを目的している為、年齢への寛容度は低いと考えられています。
2022年度の総合格者の年齢分布は以下のとおりです。
区分 | 現役 | 1浪 | 2浪 | 3浪 |
---|---|---|---|---|
人数 | 35人 | 43人 | 17人 | 10人 |
3浪以上のうち再受験生がどれだけいるのかは不明ですが、いくつかの医学部予備校で9浪や5浪からの産業医科大学正規合格の実績が記載されていたことから、再受験生でも合格の可能性はあるようです。
医学部再受験生におすすめの大学はどこ?

医学部再受験に対して一般的に寛容と考えられている大学は以下のとおりです。
私立大学
特に帝京大学や東海大学は受験科目が少ないという点、川崎医科大学・金沢医科大学は入試問題の取り組みやすさから、再受験生が多く受験する傾向にあります。
国公立大学
国公立大学の場合は共通テストが課され、その結果により再受験生が敬遠する場合もあるので、年度によって22歳以上の入学者数にばらつきがあり、寛容度を評価するのは難しく、ここに書かれた大学以外にも寛容度の高い大学は複数ことが予想されます。
再受験生に医学部予備校がおすすめの理由

再受験生が医学部合格を目指すためにはどのような境遇であっても医学部予備校で「医学部受験に特化した専門的な指導」を受けることが合格の近道といえるでしょう。
その理由は
- 医学部受験情報が豊富
- 編入試験・社会人も受験できる総合選抜対策が可能
- 個別指導ならばどのようなスタートレベルからも対応
にあります。
医学部受験情報が豊富
医学部受験は他学部に比べ多くの情報得ることが合格への近道になります。
特に再受験生の場合は大学ごとの「年齢に関する寛容度」を知ること、そして過去の合格者の傾向を知った上で志望校をしぼり学習方針を立てることが効率的です。
このような情報を個人で集めることは難しいでしょう。
医学部予備校は様々な情報を有しています。
勉強のみに集中したい場合は医学予備校に所属した方が効率的といえます。
編入試験・社会人対応の総合選抜対策が可能
再受験生は年齢・卒業した大学や社会人経験によって編入試験や総合選抜のチャンスがあります。
一般入試の対策をしながら編入などの受験資格や試験内容の情報を取集し、対策を行うのことは難しいですが、医学部予備校のほとんどはこの対策も行っています。
どのようなスタートからも対応
個別指導を行う医学部予備校の場合はどのようなレベルのスタートからでも対応可能です。
中学レベルからから医学部合格に必要な内容までをしっかり指導するため、授業についていけないという心配もありません。
福岡の大学に強い!おすすめ医学部予備校一覧
医学部予備校四谷メディカル

医学部予備校四谷メディカルは多浪生や再受験生の合格実績が豊富な医学部予備校です。
演習中心の授業・面倒見の良さに定評があります。
演習・口頭試問中心の定着率の高い授業
定着率の高い能動的な演習や口頭試問をメインに、受動的になりがちな講義は最低限に抑えた指導により生徒の学力を着実に伸ばすことを可能にしています。
医学部予備校掲示板口コミでもこの能動的な授業が高く評価されています。
オンラインコースでも医学部予備校校舎での対面授業と全く同じ指導を受けることが可能。スクーリングも自由ですので、面接対策などは福岡から東京の医学部予備校四谷メディカル校舎での受講もおすすめです。
医学部予備校基本情報
医学部予備校所在地 | 東京都千代田区二番町11-6 番町YMビル1階 |
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寮の有無 | 提携寮あり |
オンラインコースの有無 | あり |
2022年度合格実績 | 山形大学・京都大学・東海大学など |
PMD医学部専門予備校福岡

PMD医学部専門予備校福岡は医学部学士編入コースも設置している福岡市に校舎をもつ医学部予備校です。
福岡大学や久留米大学などの合格実績が豊富です。
一人ひとりにあわせた授業コース
PMD医学部専門予備校の魅力は生徒にあわせた授業コースが設置されている点。
勉強の習慣が身についている生徒は自習時間の有効活用のため、解らない問題のときどうすればいいかなど効率的な自立学習の習得を指導する個別指導コースがおすすめ。
勉強の仕方が分からない生徒には「PMD少人数ゼミ+個別指導コース」でびっちり授業を入れることで、勉強方法および勉強習慣を身につけます。
再受験生の場合は特に一人ひとりスタートラインが異なるため、医学部予備校に問い合わせ自分に合うコースを紹介してもらうことをおすすめします。
医学部予備校基本情報
医学部予備校所在地 | 福岡県福岡市中央区大名2丁目11−25 新栄ビル 6F |
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寮の有無 | 提携寮紹介 |
オンラインコースの有無 | なし |
2022年度合格実績 | 山口大学・金沢医科大学 |
医進予備校太宰府アカデミー

太宰府アカデミーは福岡に校舎をもつ全寮制でアットホームな医学部予備校です。生徒にストレスを与えないための工夫を多くとりいれており、西日本を中心にした大学に合格者を輩出しています。
全寮制による徹底した面倒見のよさ
太宰府アカデミーは基本全寮制の医学部予備校、学習指導だけではなく、生活習慣や体調管理も徹底しており、福岡以外からも多くの生徒が集まってきます。
近年設置されたオンライン医学部予備校でも面倒見の良さは健在です。
オンラインでは完全個別指導に加えネット上で生徒同士の少人数交流会を設け面接の対策を行ったり、質問もできるオンライン自習室なども用意しています。
全寮制コースの受講が難しい再受験生は医学部予備校太宰府オンラインがおすすめです。
医学部予備校基本情報
医学部予備校所在地 | 福岡県太宰府市朱雀2丁目8-8 |
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寮の有無 | 直営寮あり |
オンラインコースの有無 | 太宰府オンラインあり |
2022年度合格実績 | 26名(久留米大学4 福岡大学3) |
医学部予備校富士学院

医学部予備校富士学院は医学部予備校の中でも直営校校舎数NO.1。様々な大学への合格実績・受験情報量を豊富にもっています。
地元の大学に強い福岡校舎
医学部予備校富士学院の中でも特に福岡校舎は地元久留米大学や福岡大学の合格者数が多いのが特徴です。
2022年度合格実績は福岡校1校舎のみで久留米大学33名、福岡大学部28名と圧巻の数値。
毎年、外部生も参加できる福岡大学や久留米大学の入試対策授業を設置しているのも福岡校舎の特徴です。
過去問だけではなく一般入試の直前に行われている推薦試験の問題も考慮したうえでの予想問題などを提供し、福岡の大学を目指すにはおすすめの医学部予備校といえます。
医学部予備校基本情報
医学部予備校所在地 | 福岡校: 福岡県福岡市博多区博多駅南3-2-1 |
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寮の有無 | 直営寮あり |
オンラインコースの有無 | オンラインでの受講も可能 |
2022年度合格実績 | 医学部医学科最終合格者 のべ 431 名(福岡大学28 久留米大学33 産業医科大学1) |
まとめ
福岡県内には再受験生への寛容度が高いと考えられる福岡大学や九州大学などの医学部を設置する大学、そしてその大学に入るために適した医学部予備校も多く存在します。
とはいえ、再受験は簡単ではありません。受験にかける期間や費用をあらかじめしっかり決めた上で覚悟を決めて取り組む必要があります。
少しでも迷いがある場合はおすすめしません。
絶対に再受験を成功させたいという強い気持ちをもっている人は、信頼できる医学部予備校をみつけ勉強に集中してください。
予算的に福岡で医学部予備校に本科で通うのが厳しい方も、福岡以外の医学部予備校のオンラインコースも視野にいれ、効率よく必要な情報を得るなどの工夫をすることで、合格を掴んでください。