
医学部受験は年々人気が高まりつつあり、医学部の偏差値はとこも高いままです。
それは国立、私立ともに同じで特に私立医学部は併願することが可能な分、倍率はどこもかなり高くなっています。
今回紹介する日本医科大学は"御三家”と呼ばれる名門の私立医学部の1つであり、試験のレベルはもちろん高いのですがその分入学するメリットも大きいです。
今回は医学部再受験生向けに日本医科大学の特徴、寛容度や試験の対策方法を紹介していきたいと思います。
日本医科大学医学部医学科の特徴・カリキュラム

まずは医学部再受験生向けに日本医科大学の特徴を紹介していきたいと思います。
医学部医学科の特徴
日本医科大学は武蔵境、千駄木にキャンパスを構える大学です。
最初の1年を武蔵境に、2年次から卒業までは千駄木キャンパスで勉強します。東京都内にキャンパスがあり、非常にアクセスが良いです。
そんな日本医科大学ですが、慶應大学、東京慈恵会医科大学と並び御三家と呼ばれています。
この3つの医学部はどれも歴史があり、レベルの高い医学部教育を行っています。
事実、日本医科大学ではICTを授業に取り入れたり、全国の大学に先駆けて国際認証基準に対応したカリキュラムをいち早く取り入れるなど医大の中でも先進的な取り組みを行っています。
海外交流も充実しているため、留学したい医学部再受験生にもおすすめです。
入学後のカリキュラム
次に入学後のカリキュラムについて紹介していきたいと思います。
1学年では武蔵境キャンパスで授業が行われ、一般教養や基礎医学を勉強します。
医科単科大学ですが歴史や法学を学ぶこともできます。
2~4年次では基礎医学と臨床医学を勉強します。
医学の第一線で活躍する先生が授業を行うため、非常に内容の充実した勉強をすることができます。
また、日本医科大学では少人数制のグループ授業を行っています。医学部再受験生も馴染みやすい授業となっています。
5,6年次では臨床実習を行います。
医療の現場に出て患者さんの診療、治療に参加します。日本医科大学には4つの附属病院があるため、様々な症例を経験することができます。
基本情報
キャンパス | ■武蔵境キャンパス:1年次 ■千駄木キャンパス:2~6年次 |
---|---|
住所 | 〒113-8602 東京都文京区千駄木1-1-5 |
男女比率 | 男63.2:女36.8 |
医学科公式HP | https://www.nms.ac.jp/college/medicine.html |
医学部再受験生への寛容度

次に日本医科大学の医学部再受験生に対する寛容度を紹介していきたいと思います。
日本医科大学の公式サイトに年齢別の合格者数が公開されていましたのでそちらが医学部再受験生への寛容度の参考になると思います。
年度 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 |
---|---|---|---|---|---|
合格者数 | 7 | 8 | 15 | 15 | 11 |
こちらが日本医科大学の各年度ごとの3浪以上の受験生の合格者数です。
この数字には医学部再受験生だけでなく、純粋に3浪、4浪している受験生も含まれてしまうのですが今回は全員が医学部再受験生として紹介したいと思います。
2021年度までは毎年15人ほどの医学部再受験生が合格しているのですが、ここ2年ほどは10人弱ほどが合格しています。
おそらく2021年度からは共通テストが実施されるようになったため、医学部再受験生の受験者の絶対数自体が少なくなったためだと考えられます。
受験者の数はサイトで公開されていなかったため詳細は分からないのですが、ここ数年でも定員120人前後の中に医学部再受験生が10人ほど合格していることを考えると日本医科大学は医学部再受験生に対して比較的寛容な大学であるといえるのではないでしょうか。
後述しますが、日本医科大学では面接の点数化がないことを考えると医学部再受験生差別も行いづらいことも理由として挙げられます。
日本医科大学の面接
医学部再受験生が気になることとして、面接でどんなことを聞かれるかということがあると思います。
実際に受験した学生の体験談などをもとにまとめていきたいと思います。
日本医科大学では2種類の面接が行われています。1回目はグループ面接で、2回目は個人面接となっています。
グループ面接ではAIと格差、文化の多様性についてなどテーマが与えられ、それについて討論します。
個人面接は受験生1人に対し試験官3人で行われ、終始優しい雰囲気で進むようです。
内容も医師の志望理由や医学部再受験についてどう思っているかなど一般的なもので、厳しいコメントをされることもほとんどないので医学部再受験生はそこまで重点的に対策する必要はないかと思います。
医学部再受験生の場合、グループ面接は対策が必要かもしれないですね。
特に予備校に通っていない医学部再受験生の場合、グループ面接の練習をする人数を揃えるのが難しいと思うので面接のみ医学部予備校に通うというのも手かもしれません。
医学部再受験合格に必要な勉強法のポイントを解説

それではここから日本医科大学の医学部再受験に必要な勉強法について解説していきたいと思います。
英語
まずは日本医科大学の英語について解説していきたいと思います。
制限時間は90分で、マーク式の問題と記述の問題の両方が出題されます。
出題内容としては長文、発音とアクセント、語彙の意味を問う問題、自由英作文などが出題されているようです。
長文は年度によって1~3題出題されています。
長文の出題数によって時間配分も異なってくると思うので医学部再受験生はなるべく多くの過去問演習を行い、様々な出題パターンに慣れておくといいかと思います。
また、英作文は毎年100~150ワードとそれなりの長さを書く必要があります。
マーク式の私立医学部を受験する医学部再受験生は対策が後回しになってしまいがちですので早めに対策をしておくようにしましょう。
数学
次に数学について解説していきたいと思います。
2018年度までは大問5題の出題が続いていたのですが、ここ数年は大問4問構成であることが多いです。
出題分野は数学ⅠA~Ⅲまでほぼ全範囲が出題されているのですが、数Ⅲやベクトルからの出題がやや多いです。
また全体的に難易度が高く、かつ計算量が求められるような出題が多いためスピードと高いレベルの処理能力が求められます。
制限時間は90分あるのですがゆっくり解いていると終わらないと思うので過去問を解くときには時間をかけずに解けそうな問題を見つけるトレーニングを行うとよいでしょう。
また、分野の垣根を超えたような融合問題が出題されます。医学部再受験生は高校数学の全分野を高いレベルに仕上げることが求められるかと思います。
理科
物理
次に日本医科大学の物理について紹介していきたいと思います。
理科は2科目通して試験が実施され、時間は120分間となっています。
大問は2021年度までは4題出題されていたのですが、2022年度は3題となっていました。
出題傾向としては力学と物理がほぼ毎年出題されているので重点的に対策をするようにしましょう。
この分野以外には熱、波動、原子物理などの分野が頻出です。
全体的に問題の難易度自体はそこまで高くはないのですが、一部計算量が膨大になるような設問も見受けられます。
理科は2科目通しで試験が行われるので、時間がかかりそうだと判断したら次の問題に行く判断をすることも重要です。
化学
次に化学です。化学は大問4題から構成されており、理論、無機、有機、高分子といったように高校化学の全範囲から出題されています。
ただどちらかというと理論と有機の出題割合が高いです。
他の私立医学部でも重要になる分野ですので医学部再受験生はよく勉強しておくようにしましょう。
問題の難易度ですが、全体的に標準~やや難しいくらいの難易度となっています。
ただし、典型問題が多いというよりは論述問題や考察問題など、あまり問題集などでは見ない形式の問題も見られるので過去問には必ず目を通しておくようにしましょう。
生物
最後に日本医科大学の生物について紹介いていきたいと思います。
大問3題から構成されています。
3問のうち2問は知識問題が出題され、残りの1題で考察問題が出題されるというのが日本医科大学の生物の出題パターンとなっています。
知識問題の難易度はそこまで高くはなく、典型問題が多いので合格するためには満点に近い点数が必要になるかとい思います。
考察問題の方は問題文が長く、複雑なため慣れておく必要があります。
論述問題も出題されるので国立医学部の生物の問題も解いておくといいかもしれません。
日本医科大学の一般入試情報・選抜概要(2024年)

次に日本医科大学の入試情報について紹介していきたいと思います。
地域枠などの入試形態もあるのですが、医学部再受験生は年齢の問題でおそらく受験することができないので前期、後期の一般入試について紹介していきたいと思います。
一般入試(前期、後期)
科目 | 英語 | 数学 | 理科 | 小論文 面接 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|
点数 | 300 | 300 | 400 | 0 | 1000 |
こちらが日本医科大学の入試情報となっています。
英語と数学が300点ずつ、理科は2科目で400点となっているので1科目あたりは200点となっています。
そのため数学、英語は早めに勉強を始め、理科はそののちに対策を行うとよいでしょう。
日本医科大学では合格最低点の公開がされていないため目標ラインなどを設定するのは難しいですが、医学部再受験生はとにかく解ける問題を正確に解くことを意識して勉強するようにしましょう。
後期共通テスト併用
共通テスト科目 | 国語 |
---|---|
点数 | 200 |
科目 | 英語 | 数学 | 理科 | 小論文 面接 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|
点数 | 300 | 300 | 400 | 0 | 1000 |
日本医科大学では共通テスト併用型の入試も行っています。
共通テストの国語+個別試験という形式になっています。国語の点数が良かった医学部再受験生は挑戦してみるといいでしょう。
日本医科大学の入試結果(2023年)

次に日本医科大学の入試結果について紹介していきたいと思います。
一般前期
募集人数 | 75 |
---|---|
志願者数 | 1845 |
受験者数 | 1681 |
合格者数 | 161 |
補欠合格者数 | 177 |
一般後期
募集人数 | 14 |
---|---|
志願者数 | 870 |
受験者数 | 761 |
合格者数 | 14 |
補欠合格者数 | 63 |
共通テスト併用後期
募集人数 | 10 |
---|---|
志願者数 | 247 |
受験者数 | 247 |
合格者数 | 10 |
補欠合格者数 | 30 |
こちらが日本医科大学の入試結果となっています。
正規合格者がどのくらい辞退したかは不明ですが、補欠合格に入れれば十分にチャンスはあると思います。
まとめ
今回は医学部再受験生向けに日本医科大学の寛容度や入試勉強法についてまとめていきました。
日本医科大学では医学部再受験生が毎年10人前後合格しており、医学部再受験生にも比較的寛容な大学であると言えるでしょう。
日本医科大学では面接や小論文の点数化がされていないので医学部再受験生差別も行いづらいです。
また、入試勉強法についてですが、日本医科大学の理数科目ではところどころ膨大な計算量が求められる出題もみられました。
計算ミスが命取りとなってしまうので、ケアレスミスの多い医学部再受験生は要注意です。