人物重視のAO入試
AO入試は、一般的な学力試験だけではなく、受験生の個性や人物、適性、意欲などに着目して、面接や小論文、書類審査、自己PRなどで総合評価する試験方式です。
推薦入試に似ていますが、高校の校長からの推薦は必要ではなく、誰もが受験することができます。
また、AO入試を受験する際は、選考が長期間に及ぶ場合があるため、不合格になる場合に備えて、一般入試や推薦入試も考えておいた方が良いでしょう。
AO入試の出願条件は、学業の成績や、現役か浪人か、併願の可否などで決まりますが、大学によって異なるので、しっかり出願条件を確認することが大切です。
学業成績の方は、難関大学などを除くと、全体的には私立大学などではかなり緩やかな傾向にあるようです。
AO入試を実施する医学部は?
AO入試を実施する医学部は、そんなに多くはないですが、国公立大学を中心に徐々に増加傾向にあります。
ただし、AO入試の数多く実施する国公立大学では、ほとんどの医学部で受験資格が現役または1浪生に限られています。
そのなかでも、再受験生が該当しやすい「2浪以下」あるいは「25歳以下」など比較的受験資格の年齢が寛容なAO入試を下記で紹介します。
国立大学医学部
大学名 | 区分 | 定員 | 受験資格 |
---|---|---|---|
大分大学 | 一般 | 22名 | 2浪以下 |
地域枠 | 3名 |
私立大学医学部
大学名 | 区分 | 定員 | 受験資格 |
---|---|---|---|
獨協医科大学 | 一般 | 7名 | 26歳以下 |
地域枠 | 3名 | ||
順天堂大学 | 国際臨床医および研究医枠 | 5名 | 社会人可 |
金沢医科大学 | 特別推薦 | 27名 | 25歳以下 |
藤田保健衛生大学 | ふじた未来枠 | 10名(推薦も含む) | 2浪以下 |
以上のように、医学部再受験生が挑戦できるAO入試は国公立大学医学部だと大分大学だけであり、しかも2浪以下だと該当する人が多くはないと思います。
いっぽう、私立大学医学部のAO入試の場合、数は少ないものの25歳以下まで受験資格がある大学もあるので、まだ選択の余地は残っています。
大分大学医学部のAO入試で地域枠に合格できれば、卒業後の進路は制限されるものの、学費相当分と月額5万円分が返済免除になる奨学金が貸与されるため、経済的負担がほとんどなく医師を目指せるので魅力的です。
2浪までなら、他学部に進学して仮面浪人で医学部再受験を目指す人などが該当してくるので、挑戦してみる価値はあります。
また、AO入試ではなく推薦入試も選択肢に入れるとより受験できる医学部が増えてくるので、推薦も含めて検討すると良いでしょう。
再受験生によるAO入試のメリット
近年、医学部においてAO入試など様々な特色を持った入試方法があり、一般入試枠から比べると難易度が下がるので、人気となっています。
ただし、AO入試は現役生が多く受験するため、全体的に合格の難易度は下がらず、むしろ再受験生には不利という見方もされます。
したがって、再受験生は、年齢的な問題もあるため、学力中心に判断される一般入試で受験を行った方が良いかもしれません。
また、再受験生では、30代や40代でも合格している人もいますが、医師になるためには大学で6年間もかかってしまうため、医師を目指すには20代後半までが良いでしょう。
再受験生や年齢で敬遠される大学もあるので、本気で再受験で目指すならば、相性の良い大学を事前にしっかり把握し、高い意識を持ち一般入試で臨んだ方が良いでしょう。
再受験生によるAO入試のデメリット
デメリットはなんといっても受験できる医学部が再受験生は非常に限られていることです。
一般入試に比べると募集する定員も僅かであることが多いので、現役・1浪も含めて多くのライバルと数少ない枠を争う必要があり難易度は高いと言えるでしょう。
そのため、多くに学部再受験生は競争倍率が高い学士編入を諦めるように、AO入試ではなくより学力勝負の性格が強い一般入試から医学部合格を目指しています。
一般入試の対策を行えば、募集定員が多いうえに私立なら併願受験も可能なので、学力さえ伸ばせれば合格できる可能性が高くなります。
ただし、一般入試の場合、現役生または1浪生に比べて再受験生は年齢が上になってくるので、年齢差別を行う医学部は回避する必要があります。
現役や1浪生を好む大学の場合、AO入試なら受験資格を制限してきますが、一般入試ではそのような制限がないため、受験生自信が見極めていくしかありません。
多浪生や再受験生に厳しい医学部を志願すればそれだけ合格の難易度は高くなってしまうので、年齢に寛容な医学部を受験することが重要です。