京大の医学部再受験寛容度を入試傾向から解説

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京都大学医学部再受験情報

京都大学

京都大学は医学部受験の中でも難関中の難関で、合格には河合塾偏差値70オーバーの圧倒的な実力が求められます。

そのネームバリューや京都市中心部にあるという好立地から、京都大学医学部は全医学部受験生にとって憧れの的的な存在であり、それは医学部再受験生にとっても当てはまります。

今回の記事では、京都大学医学部の医学部再受験対策・合格攻略法について紹介していきます。

京都大学医学部医学科の概要

京都大学医学部医学科の概要

医学部としての特徴や強み

京都大学医学部は旧帝国大学医学部の中の一つです。

旧帝国大学医学部とは、北海道大学医学部、東北大学医学部、東京大学医学部(理科Ⅲ類)、名古屋大学医学部、京都大学医学部、大阪大学医学部、九州大学医学部の7つで構成され、歴史のある大学群として名をはせています。

旧帝医学部の強みは何と言ってもその医局の強さであり、全国の医学部に教授を送り込み、また全国に関連病院を持っていてその地域の医療をまとめています。

たとえ出身大学が異なっていても旧帝大医学部の医局に入ることはできますが、あくまで外様として扱われるため、関連病院の中でも遠くに派遣されてしまうことも。

一方で出身大学が旧帝医学部で、その大学の医局に入る場合は派遣先の融通を聞かせてもらいやすく、かつ教授や病院長など重要なポストを任せてもらえる可能性が高まります。

京大医学部も旧帝大医学部なので、その医局の力は絶大であり、京大出身であれば当然いいポストに優遇してもらえます。

また京大医学部は基礎・臨床研究にかなり力を入れており、iPS細胞で有名な山中教授や、腎細胞癌や悪性黒色腫に対する分子標的薬の一つ「オプジーボ」で有名な本庶教授の研究室があるため、研究医志望の学生には刺激的な体験ができるでしょう

国も実績の豊富な京大医学部には研究費を多く出しているため、潤沢な環境で最先端の研究に学生のうちから携わることができます。

カリキュラム

京都大学医学部では、総合大学であることを活用し、医学部生であっても一般教養を1,2年のうちに課しています。

文理に関わらず、広範囲にわたる教養を学習することで、より洗練された医師になってもらうことを目的としています。

また京都大学医学部では1年のうちから京大病院での早期体験実習や、研究体験実習などもあり、医学への興味を深める体験を提供しています。

2年から4年では他大学と同様に、基礎医学・臨床医学・社会医学を専攻し、医学に対する統合的な理解を促しています。

京都大学の研究力を活かし、三か月間の研究室配属もあり、自分の興味のある分野への勉強もできます。

5、6年では京大病院での臨床実習が始まり、単なる見学ではなく、患者を受け持ち、実際の医療現場でチーム医療に参加し、自律的に臨床能力を身に付けることの出来る参加型実習を行います。

京都大学医学部の基本情報

キャンパス 吉田キャンパス
住所 京都府京都市左京区吉田本町
国試合格率 89.3%
偏差値(河合塾) 72.5
大学ホームページ https://www.med.kyoto-u.ac.jp/

京都大学医学部再受験に関する寛容度

京都大学の医学部再受験に関する寛容度

22歳以上の合格・入学状況

2022年度における京都大学医学部への22歳以上の合格者は合計で3人という結果でした。

この合格者の3人はいずれも22歳でした。

また、2021年度、2020年度では、22歳以上の京都大学医学部合格者は0名という結果でした。

したがって京都大学医学部には22歳以上の合格者数自体は少ないものとみなせます。

22歳以上からが一般に医学部再受験生の層が増え始めるとされているため、医学部再受験生の合格は、京都大学医学部では少ないとみなせます。

京都大学医学部再受験生におすすめ?

合格者数の推移だけをみると、京都大学医学部は医学部再受験生にはあまりおすすめできません

ただし、一般に京都大学医学部のような旧帝大医学部では医学部再受験生に対して寛容な入試を行うとコメントされています。

京都大学医学部をはじめとした旧帝大医学部や、難関といわれる国公立医学部の多くは、私立医学部とは違い純粋に学力だけで合否を判断していることが多いです。

そのため医学部再受験生の場合、年齢的に勉強での記憶力・理解力・瞬発力などが京大志望の現役生や一浪生と比べると衰えてしまい、純粋に勉強面で合格に及んでいないことが多いです。

逆に言えばどんな高齢の医学部再受験生であっても入試を突破できるだけの学力さえ伴っていれば京都大学医学部は門戸を開けてくれるというわけです。

京大の問題はかなり難しいものが多いですが、学力に自信のある医学部再受験生であれば、少なくとも京大の面接などで差別的な態度をとられる可能性は低いのでおすすめです。

入試直前に河合塾の京大オープンや駿台の京大実践模試などが実施されると思いますが、その模試ごとに上位で名前を載せるくらいのつもりで勉強していけば何ら問題はないでしょう。

同難易度で医学部再受験生におすすめの大学は?

同難易度で医学部再受験生におすすめの大学は?

山梨大学医学部

京都大学医学部と同じくらいの難易度で医学部再受験生におすすめなのがこちらの山梨大学医学部です。

前期試験を行わず、後期試験のみの募集をしていることが特徴で、前期で東大や京大などトップレベルの大学を受けた受験生がメインで受けています。

定員は一般選抜90人となっており後期の医学部の定員としては全国トップクラスに多いです。

難易度的には京都大学医学部のワンランク下といった感じなので併願校としてもおすすめです。

再受験生にも寛容な大学で例年5~10人ほどの再受験生が合格しています。

京大のワンランク下なのでかなりハイレベルな医学部ではあるのですが、かなりの数の再受験生が合格されていますね。

そして配点ですが、以下の表のようになっています。

英語 国語 数学 理科 地歴公民 合計
共通テスト 600 200 100 100 100 1100
二次試験 600 600 1200
合計 600 200 700 700 100 2300

共通テスト1100点、二次試験1200点と言うことでどちらも重要な配分となっています。

二次試験では理科と数学のみの代わりに共通テストでは英語の配点が600点となっており、ちょっと特殊なタイプの配点となっています。

英語は共通テストレベルまでを完璧にして、数学と理科のレベルを高めるようにしましょう。

二次試験はの合格者平均は5〜6割なので過去問ではそのぐらいを意識して解くようにしましょう。

広島大学医学部

次に紹介するのは広島大学医学部です。難易度的には1ランク下なのですが、英語のみなし満点制度という医学部再受験生にも有利な制度があるため紹介します。

定員は前期のみの募集で90人となっております。

推薦などの枠もありますが医学部再受験生は受験資格が当てはまらない方が大半だと思うので受験するのなら前期になると思います。

毎年10人前後の医学部再受験生が合格しているため、寛容な大学と言えるでしょう。

医学部の中でも割とレベルが上の大学なので受験している数も考えると実力があればかなりチャンスがあるといえるのではないでしょうか。

そして配点ですが、以下のようになっています。

国語 英語 数学 理科 地歴公民 合計
共通テスト 200 200 200 200 100 900
二次試験
(英数重視配点)
800 800 200 1800
二次試験
(理科重視配点)
300 300 1200 1800
二次試験
(B配点)
600 600 600 1800

共通テスト900点、二次試験1800点となっており、二次試験が重要な大学となっています。

特徴として広島大学は二次試験の配点を自分で選ぶことができ、英数重視配点、理科重視配点、英数理全て同じ配点のB配点の3種類から選ぶことができます。

時間のない医学部再受験生にとっては力を入れる科目を絞れるこの配点方式はかなり助かるのではないでしょうか。

また冒頭で述べた英語のみなし満点方式ですが、こちらは広島大学が指定する特定の民間試験(英検、TOEFL iBTなど)で一定以上の得点を取ることで共通テストの英語の得点を満点とするという制度です。

各年度ごとに変更があるかもしれないので詳しい条件については大学のHPを参照をしてみてください。

一般入試の入試結果【2022年度】

一般入試の入試結果【2022年度】

志願者倍率(過去3年分)

京大の志願者倍率(合格者数に対する志願者数の比)を、京都大学の公式発表入試結果情報をもとに、過去3年分算出しました。

2020年度 2021年度 2022年度
志願者数 278名 299名 265名
合格者数 106名 107名 109名
倍率 2.62倍 2.79倍 2.43倍

どの年についても京都大学医学部合格者数は105-110名以内でおおよそ一定です。

一方京都大学医学部志願者数は2021年度で300名近くまで増加したことによって、2022年度は振り戻しによる志願者数減少がみられました。

とはいえ京都大学医学部は日本で2番目の難度を誇る医学部であり、志願者数の変動はそこまで大きくないように思えます。

京大医学部の前期試験科目と配点

京都大学医学部での共通テストの配点は以下の通りです。

共通テスト教科 共通テスト科目 共通テスト配点
国語 国語 50点
地歴公民 地理B、日本史B、世界史B、倫理政経から1科目 50点
数学 数学ⅠA、数学ⅡBの2科目 50点
理科 物理、化学、生物から2科目 50点
外国語 英語 50点
合計 5教科7科目 250点

どの科目も50点までに圧縮されます

ある意味、国語や英語で失敗してしまってもかなり圧縮されるので、そこまで大きな影響はありません。

次に京都大学医学部の二次試験の配点は以下の通りです。

教科 科目 配点
国語 国語総合、現代文B、古典B 150点
数学 数学ⅠA、数学ⅡB、数学Ⅲ 250点
理科 物理、化学、生物から2科目 300点
外国語 英語 300点
面接 総合評価 得点なし
合計(筆記試験) 1000点

京都大学医学部の二次試験では国語が一番軽く150点、その次に軽いのが数学で250点、そして理科・英語がどちらも300点ずつといった配点になっています。

医学部受験というとどうしても数学を何とかしないと、といった気持ちになりがちですが、こうしてみると理科と英語の比重が大きいのでそちらの対策が必要です。

京都大学医学部の対策法

京都大学医学部の対策法

数学の対策

大問6題構成で150分で解きますが、難易度がやや難から難のものばかりで、時間的余裕はまったくなく情報処理能力も求められます。

京都大学の数学の特徴として、小問誘導が少ないために自分で方針を一から立てる必要があります。

京大数学は単なる解法暗記では全く太刀打ちができず、むしろその場での思考を求められる問題が多いので、普段から問題に対しじっくり考えることが大切です。

また、京都大学の数学は採点がかなり厳しいことでも有名なので、日々の演習で添削してもらうとよいでしょう。

英語の対策

京大の英語では長文2題、和文英訳1題、自由英作文1題の計大問4題を120分で解きますが、語彙・文章レベルは高く、英語力だけでなく日本語力も問われます。

また京都大学の和文英訳はかなり難しいことで有名で、直訳では全く点が来ないような文章の英訳をしなければならず、普段から難しい表現をどう簡単に言い換えるかの練習が必須です。

分量的には120分という時間で十分戦えるので、和訳・英訳などの精度を高めるべきです。

理科の対策

京大の理科は二科目合計180分の長丁場であり、京大模試などで慣れておく必要があります。

京都大学の物理は力学・電磁気で1問ずつ、残りの分野で1問の3題構成で、典型問題はほぼ見られず、その場で考えながら解き進めることになります。

穴埋めによる誘導があるため、問題そのものの難易度の割には情報量も多く比較的解きやすいので、過去問から誘導に乗る練習をするべきです。

京都大学の化学は理論2題、有機1題、高分子1題と偏った出題です。

有機と高分子はオーソドックスな問題が出題されるので絶対に確保したいですが、理論ははっきりいって激難で、特に後半は時間的にも見送った方がよさそうです。

京都大学の生物は大問4題構成で、生理・遺伝・分子生物学が頻出です。

苦手な人が多い遺伝が頻出なので、対策を重点的に行うべきです。

難易度は高く、見慣れない実験の考察問題が中心なので、まずは模試と過去問で慣れることから始めましょう。

国語の対策

90分に対し大問3題で、うち2題が現代文、1題が古文から出題されます。

文章は難解で情報量が多く、かつ全問論述式なので、できる限り情報を盛り込むことで部分点を稼ぎに行く姿勢が必要です。

共通テストの国語の勉強の延長線上で対策を進めておくことで、直前期に焦らずに済みます。

面接の対策

京都大学医学部の面接試験では人格や医師としての適性を判断され、もしそぐわないと判断されたら合格点をとっていても不合格となります

とはいえ京都大学医学部の面接試験は志望理由などのオーソドックスな質問ばかりであり、医学部再受験生だからといって特別な対策が必要となるわけではなさそうです。

まとめ

それでは京都大学医学部についてのまとめです。

  • 医学部再受験生には厳しいかもしれない

京都大学は医学部再受験生に寛容ではあるのですが、難易度がとにかく高いです。

どうしても医学部再受験生は年齢的な問題もあり、現役生たちに比べると学力的には不利になりがちです。

京都大学は臨床、研究において日本でもトップクラスであり、もちろん十分な学力を持っていればぜひともおすすめしたい大学なのですが、医師を目指すのであれば他の大学の方が現実的といえるでしょう。

  • 受験するのであれば全ての科目をハイレベルに

京都大学では共通テストに加えて二次試験で英語、国語、数学、理科の4科目を受験しなければならず、またどの科目も問題が複雑で難しいことで有名です。

小手先の対策では歯が立たないと思うのでしっかりと実力をつけ、その上で過去問などを解くといいと思います。

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