福岡大学医学部の入試状況と再受験対策を解説

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女子学生の割合が多く九州では数少ない私立大学医学部の福岡大学を再受験生視点で解説。

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福岡大学

九州には2つの私立大学医学部がありますが、その1つが福岡大学。

9学部31学科を有する大規模な総合大学で、市中心部へのアクセスが優れていることから、医学部再受験生にかかわらず近年人気が高まりつつあります。

そんな福岡大学は医学部再受験生にとっておすすめ大学の1つなのでしょうか。

福岡大学医学部の特徴や試験結果を紹介しながら、医学部再受験生への合格状況を確認していきましょう。

福岡大学医学部医学科の特徴

福岡大学医学部医学科の特徴

福岡大学医学部医学科は、1972年に設立された新設医科大学で県内には3つの大学病院を有し、県内の医療に貢献しています。

入学当初から看護体験や施設見学を通じて医療現場へ積極的に関与していき、6年間を通じて学生の問題解決能力や自学自習の習慣を身に付けさせ、医療人としての基礎を習得していきます。

そんな福岡大学医学部の特徴をについてここでは紹介していきます。

女子受験生の割合が多い

福岡大学は、医学部の中では女子学生の割合が多いことで有名で、女子学生にはおすすめの医学部の1つでもあります。

2021年度の入試ガイドのデータによると、医学部医学科の学生数696名のうち女子学生は257名と約4割を占めている結果に。

医学部再受験生の場合は合格できる大学を目指すことが一般的であるため、女子の比率はあまり考えないかもしれませんが、入試で女子不利な選抜を行っていない指標にもなるので確認しておいて損はないでしょう。

学費は私立の中でも割高

医学部再受験生にとって学費は経済的な問題もあるので重要視する人も多いのではないでしょうか。

福岡大学の学費は6年総額3760万円と私立大学の中でも高額な部類に該当しています。

2000万円台の学費で勉強できる私立大学医学部も増えていることもあって、偏差値はその分低めです。

したがって、経済的に問題がない医学部再受験生にとっては難易度の観点から福岡大学はおすすめとなります。

しかし、医学部再受験生にとって重要なのは年齢や再受験に寛容的あるかどうか

次からは福岡大学は医学部再受験生にとっておすすめかどうかを確認していきましょう。

福岡大学医学部の基本情報

キャンパス 七隈キャンパス
住所 〒814-0180 福岡市城南区七隈八丁目19-1
学費 3,640万円
男女比率 63:37(学生数割合)
医学科公式HP http://www.med.fukuoka-u.ac.jp/education/medicine/

医学部再受験へのおすすめ度

医学部再受験へのおすすめ度

福岡大学は、九州の医学部再受験生にとっては魅力の大学であることは間違いありませんが、合格できるかが重要になってきます。

そこで医学部再受験生に寛容的な入試を実施しているかここでは確認していきましょう。

不正入試で浪人生に不利な受験を行ってたことが発覚

2018年度の東京医科大学を発端に不正入試の調査が文部科学省を主導に調査が行われ、福岡大学も2002年度入試から不正入試を実施していたことが分かりました。

内容としては、一般入試の2次試験の調査書において、現役生に最高20点、一浪生に最高10点を加点していたことが発覚。

2浪以上や医学部再受験生に不正な入試を行っていました

不正が明らかになったので今後は実施しないと思いますが、医学部再受験生にとっては要注意な大学の1つ。

なお、翌年度2019年の入試では、調査書の点数化を廃止し、面接試験の参考資料とすることで改善が見られたこと文部科学省の報告書によって明らかになっています。

2020年を含め、近年は入試改革が進み医学部再受験の合格者も出てきているので、今うちに合格できるかがカギとなります。

年齢区分 2019年度 2018年度
受験者数 合格者数 受験者数 合格者数
男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性
19歳以下 496 345 24 18 373 331 22 24
うち19歳 614 438 52 46 630 475 59 44
うち20歳 501 286 60 29 434 265 30 16
うち21歳 252 121 23 8 278 132 13 6
うち22歳以上 525 186 41 16 540 197 30 6

上記のように2018年ど比較した場合、2019年度の福岡大学では、医学部再受験生が該当する22歳以上で合格者が16名も増加しており、合格率の改善もみられています。

ゆえに福岡大学は医学部再受験生におすすめの大学であると言えます。

一般枠の減少は現役生・一浪生重視の証拠?

上記のように医学部再受験生には不利な入試を実施ていたことが分かった福岡大学ですが、今後は再発防止に取り組んでくれることを期待したいところ。

その影響もあるのか、2020年度入試から福岡大学医学部では、一般入試の定員枠を10名減らし、その分を推薦入試の定員に振り分けました。

推薦入試は1浪生までしか出願できず(地域枠は2浪まで)、医学部再受験生にとっては一般枠が減るので影響は必至。

これは医学部再受験生に寛容な姿勢を取るいっぽうで、現役生や1浪生は推薦枠でしっかりと確保するという姿勢なのでしょうか。

福岡大学の医学部再受験対策

福岡大学の医学部再受験対策

英語

福岡大学医学部の英語の試験時間は70分

大問は5つから成り、記述式は大問1の長文読解のみと、私立医学部の中でも選択肢問題が特に多い構成です

大問2は内容真偽問題で、大問3は文法問題。

大問4では発音アクセントを問い、最後の大問5は語句整序問題となっています。

福岡大学の英語は全体的に難易度は標準で、唯一の記述問題である大問1の英文和訳が合否の分け目となりそうです。

大問3の文法問題では少々難易度の高い問題が含まれていますが、合格のためには惑わされずにすぐに次の問題へと目を向け、基礎~標準問題を必ず取りこぼさないようにしましょう。

大問5では、使用しない単語も含まれているため、その点は必ず問題文をしっかりと読み、気を付けて解答しましょう。

福岡大学医学部の英語の対策としては、発音アクセントや標準的な文法問題を数多くこなし、長文読解では標準的な英文で、特に内容把握に重点を置いて演習するのが良いでしょう。

さらに、福岡大学は出題方式が例年固定されていることから、早めに過去問に取り組んで時間配分や大問の取り組む順番を決め、練習を積んでおきましょう

合格者平均は70点前後の高得点勝負だと予想されます。試験時間に対して分量は決して多くはなく、余裕をもって、見直しの時間をしっかり設けることが重要です。

数学

福岡大学医学部の数学の試験時間は90分であり、大問数は3題です。

大問1と2は小問集合、大問3が記述問題となっています。

ほとんどが私立医学部らしい標準問題であり、手が付けられないような問題は少ないですが、ここ数年難化傾向にあるため注意が必要です。

福岡大学医学部の数学は、様々な単元から出題されるのが特徴ですので、抜け目なく全範囲を網羅する対策をしましょう。

特に、福岡大学では積分とデータの分析、さらに整数問題はここ数年連続で出題されており超頻出分野といえるので、合格するためにはここを取りこぼさないよう、個別の対策が必要になってきます。

時間はちょうど余るか余らないか程度ですので、焦らずミスなく処理していくことが大切です。

90分は思っているよりも短いことが多く、一度手が止まるとあっという間に時間不足に陥ります。

時間配分の練習を過去問で何度もしておくと良いでしょう。

福岡大学ではここ数年の合格最低点が4科目で270点前後であるため、数学では70点を取ることを目標にしましょう。

合格するためには、計算ミスをしないことと、大問3の比較的易しい記述問題を確実に完答することが必要です。

例年、積分を使った体積や面積計算などが出題されています。合格するためには確実に答えを導きだす演習をたくさん積むことが重要です。

生物

福岡大学医学部の理科は、選択科目2つで120分です。

また、例年、生物の大問数は5題となっています。各大問が6問前後の小問で構成されているため、全体の小問数は30前後になります。

福岡大学の生物では知識問題や典型問題といった基礎力を求めてくる出題が多く、生物で高得点をとっておきたいところです。

幅広い単元の出題が見られますが、特に体内環境、動物の環境応答関連は頻出ですので、これらの分野を中心に勉強することが必要です。

福岡大学の生物は全体的に易しい問題が多いため、対策としては第一に教科書の内容を理解することが最も重要です。知識の整理は教科書で完璧に行い、生物用語の使い方を自分が分かりやすいようにまとめておくと良いでしょう。

さらに、知識の抜け目を無くす手段として問題集を用いた演習を行うことで、合格により近づくことができます。

共通テストやセンター試験の過去問などはとても洗練された良問なので、活用すると良いでしょう。

実験結果や原因の考察を要する記述問題には少し時間がかかりますが、生物は理科の中でも難易度が低めに設定されているため、60分をかけず、50分程度で解き終わりたいところです。

化学

福岡大学医学部の理科は、選択科目2つで120分です。

例年、大問の数は3つか4つで構成されており、近年、難易度が易しい出題が続いています。選択問題が多く、この難易度が続けばかなりの高得点勝負となると予想されます。

福岡大学の化学では無機化学が他の私立医学部に比べて多く出題され、有機化学、理論化学からもさまざまな分野から網羅的な出題がされています。

問題量が多いため、難しいと思った問題はすぐに見分けて避けていくことが合格のカギとなります。

最初は時間を長くかけてすべての問題を解ける練習をし、徐々に取捨選択しながら時間内に解く演習を積んでおくと良いでしょう。

その練習には過去問が有効です。

余裕があれば、センター試験や共通テストの無機分野を数年分解くと、十分な対策ができるでしょう。

難しい問題を解くことができる必要はないため、教科書で用語の確認や使い方、基礎知識をしっかり固めて、基礎的な問題集を何周もし、合格のために高得点を狙いましょう。

物理

福岡大学医学部の理科は、選択科目2つで120分です。

大問は3つから構成されており、例年、力学と電磁気は必ず出題され、最後の1問は波動または熱が出題されます。

ちなみにですが、ここ4年間は連続で波動の出題となっています。

ほとんどの私立医学部と同様、原子の出題は殆どありません

分量はそれほど多くないので時間的にはかなり余裕があります。

物理では計算ミスが命取りであるので、落ち着いて計算しましょう。

福岡大学の物理の特徴としては、問題ごとに解答形式が異なっていることがあげられます。
数式を計算し、答えをたくさんある選択肢から選ぶ解答方法や、誘導による数式の一部を選択肢から選ばせる形式。

さらに、単純な記述問題で、答えのみを書かせる形式などです。どれも計算ミスをすると部分点がもらえないため、やはり合格するためには注意して計算を行うことが重要です。

福岡大学の物理の対策は、力学と電磁気の基礎~標準問題をすらすら解けるようになったうえで、波動を優先しながら、熱力学が出題された場合に備えて基礎的な問題を計算ミスすることなく解けるようにすることです。

2022年度一般入試(系統別日程)の試験結果

一般入試(系統別日程)の試験結果

福岡大学では系統別と共通テスト利用型の2種類の一般入試が実施されており、ここでは系統別入試の2022年度結果をまとめています。

2022年度入試は、2021年に引き続き65名

いっぽうで志願者数は2021年度が新型コロナの影響もあるのか2020年度に比べて減少しましたが、2022年はさらに減少した年となりました

合格者数と志願者数の推移

年度 募集定員 志願者数 受験者数 合格者数
2022 65 2135 1991 125
2021 65 2340 2107 125
2020 60 2729 2518 111

試験科目

一次試験科目
(理科二科目)
配点
数学 100点
英語 100点
物理 100点
化学 100点
生物 100点
小論文 -
合計 400点
二次試験科目 配点
面接 50点

福岡大学の医学部再受験まとめ

ここまで、福岡大学医学部の入試結果や入試倍率などの具体的な数字に加え、特徴などを述べてきました。

その中でもやはり今回注目したのは、医学部再受験生に寛容な大学であるのかどうか。

果たして福岡大学医学部は、医学部再受験生が合格するのに有利な大学であると言えるのでしょうか。

結論としては、福岡大学は現在、データを見る限りは医学部再受験生に対して差別をしている可能性はほとんどなく、医学部再受験生にとっても合格しやすい大学であるということができます。

2020年以降一般入試の定員が減ったものの、志願者数は2020年から2022年にかけて減少傾向にあり、医学部再受験生に限らず、私立医学部の中で合格しやすい大学となってきた福岡大学。

面接点が50点と少し大きいので、この点のみ注意が必要です。

しっかりと予備校の面接授業などに参加して、面接の対策を行って二次試験を受験しましょう。

受験のしやすさとは裏腹に、私立医学部の中でも学費が高額な福岡大学。

学費の面では、合格しても選択しづらい私立医学部であるのかもしれません。

奨学金などを視野に入れて受験する医学部再受験生にはおすすめの私立医学部です。

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