医学部再受験生は増えている
医学部再受験生という言葉があるのは、それだけ社会人など入り直す必要があるからです。
他学部では話題にならない再受験生ですが、医学部で多いのはそれなりの理由があります。
まず、医師としての職業は安定した地位と高い報酬が期待できるので、社会人にとっては魅力的な職業と言えます。
先行き不透明な経済社会となかなか上がらない給料や待遇の現状に辟易してしまい、人生一発逆転を狙って医学部再受験を目指す受験生は多いようです。
もう一つ多いのが、高校生の時に医学部を目指していた人たちです。
医学部合格が実現できず他学部に進学したものの、医学部合格の夢が経ち切れずに再び目指す人たちのことです。
他学部に在籍して仮面浪人している人もいれば、会社を退職して予備校に入り直す人もいます。
このように、医学部再受験生を目指す人が非常に多く、終身雇用の崩壊、不安定な経済社会などの背景から、より再受験生を生み出す結果となっています。
医学部再受験生の合格は厳しい
医学部再受験生は多いですが、その中から医学部合格を勝ち取っているのは毎年ほんの一握りです。
医学部入試は競争率も上がっており、かつてに比べて難易度は非常に高くなっています。
現役の受験生でも2浪、3浪が当たり前の医学部入試を、受験勉強から遠ざかっていた再受験組が挑戦することはどれだけ難しいことか容易に想像できるでしょう。
ただし、医学部再受験が不可能だということではありませんし、実際に文系出身者でも30代でも医学部に合格している事実があります。
多くの医学部再受験生は勉強不足が大きな失敗要因となっており、なかなか医学部合格に必要な学力まで上げることに苦労しているようです。
そこで、今回は医学部再受験生が合格を勝ち取るためのポイントを解説したいと思います。
志望校は私立も含める
医学部再受験生に多いのが、学費負担を減らすために国公立の医学部に絞って医学部を目指すことです。
しかし、国公立はセンター試験が必須となるため、文系科目まで学習が必要となり、しかも高得点を取らないといけないので勉強量が非常に増えてしまいます。
ただでさえ、英数理科2科目の対策だけでもいっぱいいっぱいなのに、それに加えて国語や社会の勉強も追加で必要となると全ての科目が中途半端になってしまうリスクが高いです。
確かに国公立の医学部に進学できれば6年間の学費は350万円程度で済むので経済的メリットは非常に大きいですが、合格するのは非常に困難です。
医学部入学を本気で考えるなら私立大学医学部も候補に入れたほうが可能性としては大きくなります。
私立大学医学部は、文系科目の対策がいらず英語・数学・理科二科目の対策だけでいいので集中して勉強できます。
経済的に難しいという再受験生もいると思いますが、私立医学部は奨学金が充実していたり、成績上位者なら学費の大幅な免除が受けられたりする医学部も少なくありません。
また、卒業後の進路にこだわらないのであれば、地域枠で受験すれば医師として指定した地域に9年ほど勤務する必要がありますが、その代わりに学費が全額免除となります。
私立の医学部でも奨学金や特待生ならびに地域枠を活用することで、経済的に厳しい人でも進学が可能となります。
さらに、国公立の医学部だと前期と後期の2回しか受験のチャンスが無いうえに、後期は難易度が上がるので前期失敗すると厳しい傾向にあります。
いっぽう、私立の医学部は日程が重ならない限り併願受験ができるので、合格の確率を上げることができます。
このように、医学部再受験生にとって私立も視野に入れることはメリットが沢山あるということです。
独学は避け医学部予備校に通うべき
医学部再受験生は、社会人もいるので経済的に親から独立している人も少なくないはずです。
そのため受験勉強もお金がかからない独学を選ぶ人がいますが、なかなか独りの勉強で医学部合格に必要な学力まで上げることは困難です。
実際、医学部再受験生のブログなどを見ていると独学の人ほど途中でドロップアウトしてしまっている人が多いように思えます。
医学部合格への投資だと思ってしっかりとした学習環境が整った予備校で勉強するのが夢実現への第一歩となります。
特におすすめなのは大手予備校の医学部コースではなく、医学部予備校に通って勉強することです。
医学部予備校は少人数体制で指導を行っているので、講師1人当たりの生徒数が極端に少なく、いつでも質問や相談ができる面倒見の良い環境が用意されています。
受験勉強から遠ざかっているのはもちろん、難易度の高い学習が必要になるため、サポート体制が充実している医学部予備校を選ぶのが効果的です。
医学部は寛容な大学を狙う
現役生や1浪生など多浪生や再受験生でなければ、偏差値などから自由に自分行きたい医学部を目指すことができます。
しかし、多浪生や再受験生の場合、年齢がネックとなって医学部合格が実現しにくい大学があるのも事実です。
例えば、学科試験で合格水準に到達していても、年齢を理由に面接等で不合格と判定されることがあるということです。
一昔前に裁判沙汰になったことがあるので、やはり年齢に寛容ではない医学部が存在すると思っておいて良いでしょう。
合格できる学力があるのに年齢を理由に不合格になってしまうのは勿体なさ過ぎます。
したがって、年齢に寛容で再受験生や多浪生が多く進学している医学部を志望校とすることが合格にこだわる点では重要となります。
年齢に寛容か否かは毎年公表される入試結果で現浪比率や、世代別合格者のデータなどを公表している大学もあるので参考にすると良いでしょう。
医学部再受験生は「行きたい大学」よりも「入れる大学」を重視してください。