医学部再受験の年齢差別を合格状況により解説

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入試不正が発覚したことで医学部再受験生の年齢差別はなくなったのかを徹底検証。

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医学部年齢問題について紹介

医学部の年齢問題について紹介

医学部再受験は昔から年齢に寛容ではない大学では合格が難しいと言われています。

事実、2018年に発覚した東京医科大学の不正入試問題で、複数の医学部年齢差別を行っていたことが明るみになりました。

そこでこの記事では、医学部再受験の年齢をテーマに、詳しく入試や大学の対応状況について解説していきます。

医学部再受験生の年齢差別はなくなった?

医学部再受験生の年齢差別はなくなった?

2018年に東京医科大学で発覚した年齢や性別に対する差別は受験業界に激震が走りました。

しかも、年齢差別を実施していたのは、東京医科大学だけに留まらず、医学部再受験生に厳しい選抜を実施している大学がその他にも複数存在してい事が明るみに。

ただし、医学部再受験生の中には年齢差別にあまり驚かなかった人も少なくはありませんでした。

それだけ、医学部再受験生の間では、大学によっては年齢に寛容ではなく、年齢だけで合格のハードルが上がると言われてきたからです

文部科学省が全国の医学部を調査し、問題があった大学には是正勧告等を行ったことで、2019年度の医学部入試は女子受験生や比較的高年齢の合格者が増えました。

つまり、医学部入試も医学部再受験生に関係なく、学力や医師となる人物的に問題がなければ年齢を理由に不合格になることも少なくなったと言えます。

では、本当に年齢が30代40代でも医学部合格を実現できるのでしょうか。

更に詳しく、医学部入試での年齢にフォーカスを当てて確認していきましょう。

なぜ大学側は年齢差別を行うのか

なぜ大学側は年齢差別を行うのか

医学部入試で年齢差別を行う主な理由は下記が考えられます。

  • 理由1:再受験生は医師として働くことのできる期間が短い
  • 理由2 純粋に医学を学びたいだけの人がいる

理由1:再受験生は医師として働くことのできる期間が短い

これが、医学部年齢差別を行う最も大きな理由と言っても過言ではないでしょう。

単純計算になりますが、現役つまり18歳で医学部医学科に合格した学生は24歳で研修医になります。

そこから仮に65歳まで医師として働くと仮定すると、合計で42年間医師として日本の医療に貢献することができるわけです。

では次に、30歳で再受験を目指し始めた人について考えてみます。

どんなにその人が賢かったとしても、30歳で再受験を考え始めて医学部に合格できるに2年は必要でしょう。 (1年で合格をすることができる人もいるでしょうが、少数派だと考えられます。)

そうなると、医学部には32歳で入学することになり、研修医になるのは38歳ということになります。65歳まで医師として働くと仮定した場合、28年間医療に貢献することになります。

したがって、悲しいことに30歳で再受験を考え始めた人は現役生と比べると、42-28=14年間も医療に貢献する期間が短くなってしまうのです。

日本の医療に貢献してくれる人材を育てたい医学部にとっては、この14年という期間はあまりに看過し難いものでしょう。

あくまで上の30歳というのは一例に過ぎません。

それよりも若くして再受験を目指す人もいますし、逆にもっと歳を重ねてから再受験を目指す人もいます。

いずれにしても、医師として働くことのできる期間が短くなってしまうことは間違いありません。

この年齢による不利を覆すことが難しいということが、年齢差別が行われる最大の要因と考えられます。

理由2:純粋に医学を学びたいだけの人がいる

医学部再受験生の中には、医師になりたいというよりも純粋に医学を学びたいから医学部に入学したいという人も多いようです。

これが医学部医学科で年齢差別が行われてしまう二つ目の理由なのではないでしょうか。

あくまで筆者の周りの再受験生の話ですから、サンプル数は少ないですし偏りがあるかもしれません。

筆者の周りでは、既に特定の学術分野を勉強していて、その途中で医学に興味を持ったから医学部で学んで自分の元々の研究分野に生かしたいという再受験生が多いように思われます。

もちろん、医学を学びたいという気持ちは教える側にとっては気持ちのいいものですし、喜ばしいものではあるでしょうが、医学部を卒業しても医師にならないとなると、話は変わってくるのでしょう

年齢別入学者から見る医学部再受験の寛容度

年齢別入学者から見る医学部再受験の寛容度

2019年度以降は年齢差別をせずに公平な医学部入試を行う大学が増えたと言われています。

実は医学部入試の結果、どんな年齢層が合格したかどうかは、独立行政法人大学改革支援機構・学位授与機構が「年齢別入学者数」として公表しています。

そこで、今回は医学部のある国公立大学のこの年齢別入学者状況をもとに確認していきましょう。

なお、お示しするデータは2021年度最新入試の入学者結果から得られたものです。

4浪以上(22歳以上)の入学者がゼロの大学

  • 北海道大学
  • 山形大学
  • 東京大学
  • 東京医科歯科大学
  • 京都大学
  • 鳥取大学
  • 佐賀大学

上記大学は医学部再受験に比較的寛容でない大学としてもともと知られている大学でもあります。

とはいえ、医学部受験においては4浪以上の22歳以上という年齢はあまり珍しいものではなく、医学部再受験生への肝要度をして捉えるより単純に、年齢に対しての壁のある大学という印象に留まるでしょう。

もともとこれらの大学は医学部再受験生には寛容ではないことで評判だったため、22歳以上の受験生が敬遠した可能性も否定できません

4浪以上の入学者数が10人以上の大学

今度は、逆に4浪以上を多く合格させた大学を見てみましょう。

大学名 4浪以上の人数
三重大学 15
滋賀医科大学 17
島根大学 22
広島大学 10
香川大学 18
熊本大学 15
宮崎大学 10

いずれの大学も、毎年医学部再受験生が一定数いる人気の大学です。

30歳以上の入学者がいる大学

大学 30歳~34歳 35歳~39歳 40歳~44歳 45歳~49歳 50歳以上
旭川医科大学 1
弘前大学 1
山形大学 1
富山大学 1
福井大学 3
新潟大学 1
信州大学 2
岐阜大学 2 1
名古屋大学 1
三重大学 2 3
滋賀医科大学 2 2 1
神戸大学 1
鳥取大学 1
島根大学 1 3 1
広島大学 3 1 1
香川大学 1
熊本大学 5
宮崎大学 1
琉球大学 1
福島県立医科大学 1
横浜市立大学 1
奈良県立医科大学 1 1
和歌山県立医科大学 1
合計 26 19 2 1 1

2021年度入試の結果を見ると、例年よりも30代以上の合格者数は少なかった年のようです。

ただし、名前を連ねている大学はいずれも医学部再受験生の年齢に対して寛容である大学として有名な大学ばかり。

また、この年は和歌山県立医科大学で50代の合格者が出るなど、嬉しい結果も生まれています

当然、年齢が高い層ほど受験人口も少ないために、一概に年齢という因子だけでこの合格者数を分析することは難しいですが、それでも結果として高年齢の合格者数が少ないのは事実

医学部再受験生は40代までが最終チャンスと考えるのが一般的です。

30代以上でも合格は可能なのか

30代以上でも医学部合格は可能なのか

よく30歳以上でも医学部再受験で合格できるか不安になる方がいますが、上記の表を見ても分かる通り、50名以上の合格者が誕生しています。

過去を振り返ると、直近では、2019年度の医学部入試において、45歳以上~49歳までの入学者を輩出している大学が3つも存在。

また、滋賀県立医科大学や熊本大学は昔から医学部再受験生に寛容的であり、毎年度多くの高年齢の入学者がいます。

つまり、30代以上でも医学部再受験で合格することは可能だということです

ただし、40代の合格者は大きく減ってしまうので、もともと40代の医学部再受験生が少ない可能性もありますが、30代のうちに勉強を始めて合格してしまうことがおすすめとなります。

なお、結果として30代以上の医学部再受験生が実際に合格している大学はいくつか限られています。

もしも医学部再受験で合格を目指すのであれば、これらの実際に高年齢の合格者がいる大学を受験するのが必須と言えるでしょう。

一番の問題は学力を習得できるかどうか

医学部再受験生が抱える一番の問題は、学力を合格レベルまで伸ばすことができるかどうかに尽きると思います。

多くの医学部再受験生は途中で挫折してしまい、試験本番まで迎えることができない人も多数。

また、医学部再受験で合格する人は、東大や他学部旧帝大出身などもともと頭が良い場合も多いです。

それ以外の医学部再受験生で合格を勝ち取るためには努力して勉強する他ありません。

再受験生の合格者が多い大学を目指すのがおすすめ

入試不正が発覚後、2019年度以降は年齢差別を行う大学は確実に減少してきていると感じます。

それでも、前例の少ない大学を目指すよりも、多くの医学部再受験生が合格している実績豊富な大学を目指す方が合格できる確率は高いと言えるでしょう

滋賀医科大学や熊本大学、島根大学は医学部再受験生の合格実績が豊富で、2019年度も比較的年齢の高い合格者を多数輩出していることから、年齢が気になる方にとっておすすめです。

敬遠しがちな私立大学もおすすめ

敬遠しがちな私立大学もおすすめ

ここまで、主に国公立大学にフォーカスを当てて医学部再受験や年齢に対して触れていきました。

実際のところ、医学部再受験生の多くは、経済的に学費が高額な私立大学の受験を敬遠しがち。

受験校の設定の段階で、私立大学をそもそも全く考慮していないという人も珍しくありません。

しかし、その選択はかなりタブー

実は、私立医学部の中にも、学費をかなり抑えながら、場合によっては国公立大学にかなり近い学費で抑えられるところもあるのです。

まずは、私立大学の中でも年齢に関して「かなり寛容」とみなされている大学をご紹介します。

年齢に「かなり寛容」な私立大学一覧

東北医科薬科大学

宮城県仙台市青葉区小松島に所在する、2016年に新設された医学部医学科。

河合塾のボーダー偏差値は65とやや高めで、人気があります。

6年間の学費総額は3400万円とやや高めですが、実は奨学金制度が充実しているおり、卒業後の一定期間、指定された地域での研修を条件に、A方式では3000万円、B方式では約2600万円の貸与を受けることができるため、学費をかなり抑えることが可能

年齢に寛容で、2018年度入試では合格者分布のうち、22歳以上が18.9%とかなり多い数字をとっています。

国際医療福祉大学

千葉県成田市公津の杜に所在する、2017年に新設された医学部医学科。

首都圏近郊に所在することから、河合塾のボーダー偏差値は65とやや高めで人気があります。

海外で活躍できる医師を育成することを目的としており、海外からの学生・教授も一定数いて、かつ海外研修も豊富に行われることが特徴。

6年間の学費総額は私立医学部の中で最も安い1850万円であり、かつ特待生制度で最大1400万円の学費免除を受けることが可能で、国公立大学医学部とほぼ同じくらいで通うことが可能

年齢に寛容といわれており、2018年度入試では合格者分布のうち、22歳以上が6.3%とやや多めでした。

日本医科大学

東京都文京区千駄木に所在を置く、私立大学医学部の御三家のうちの一つ。

私立御三家ということもあり人気が高く、河合塾ボーダー偏差値では70とかなり高いです。

6年間の学費は2200万円と私立医の中ではやや安めであり、前期では上位30名、後期では上位10名が特待生として初年度授業料が免除される。

また千葉県・埼玉県・静岡県を対象とした地域枠もあり、地域枠では卒業後9年間、指定された地域で研修することを条件に、1440万円の貸与が行われるため、学費をかなり抑えることが可能。

昔から年齢を一切気にしないと言われており、2018年度の入試では合格者分布のうち3%が22歳以上と比較的少ないですが、これは単純な難易度によるものだと思われます。

大阪医科薬科大学

大阪府高槻市大学町に所在を置く、旧設医科大学の一つであり、後述の関西医科大学と並んで関西の私立医学部二大巨頭です。

大阪という立地から、河合塾偏差値は67.5とやや高め

6年間の学費総額は3141万円で、私立医学部の中では中間くらいであり、入試上位100名は入学金と初年度授業料が免除される。

かなり年齢に対して寛容であり、2022年度の入試では合格者分布のうち約15.5%が卒後3年以上という結果でした

また、2022年度では45歳の再受験生が合格したことで話題になっているので、やはり年齢に関して寛容であることがうかがえます。

関西医科大学

大阪府枚方市新町に所在を置く、旧設医科大学の一つであり、前述の大阪医科薬科大学とともに関西の私立医学部二大巨頭と評されています。

大阪医科薬科大学と同様に、大阪という立地から67.5とやや高めです。

6年間の学費総額は2814万円で私立医学部の中では比較的抑えめな学費設定であり、特待生制度や奨学金制度も充実しています。

年齢にもかなり寛容で、2018年度の入試では合格者分布のうち9%が22歳以上と、高い値をとっています。

近畿大学

大阪府東大阪市小若江に所在を置く、新設医科大の一つ。

総合大学かつ学部生の多いマンモス大学であり、学費は6年間合計で3580万円であり、私立大学医学部の中でやや高めです。

総合大学ということもあり、奨学金制度がかなり充実していることが特徴。

河合塾偏差値は65と標準的ですが、大阪医科薬科大学・関西医科大学と比べるとやや抑えめの難易度設定です。

かつては面接試験もなく、年齢に対して一切の差別がないと言われてた過去があり、現在は面接試験が導入されたものの2018年度の入試では合格者分布のうち9.2%が22歳以上でした

久留米大学

福岡県久留米市旭町に所在を置く旧設医学部で、規模はやや小さいですが総合大学の一面を持っています。

河合塾偏差値は65と平均的な難易度であり、学費は6年間合計で3640万円とやや高めの設定になっています。

極めて年齢に対して寛容なことで有名で、2018年度の入試では合格者分布のうち21.2%が22歳以上とやはり高いパーセントです

また2021年度から一般入試の面接点の開示を行っているため、クリーンなイメージが強いのが特徴です。

産業医科大学

福岡県北九州市八幡西区医生ケ丘に所在を置く、企業の産業医を育成するために設立されました。

学費は3049万円とやや高めですが、卒業後9〜11年間、指定された医療機関での勤務を返済免除の条件に、約1900万円が貸与されるため、実質負担額がかなり安くなるため、河合塾偏差値は67.5とやや高め。

年齢に対しては比較的緩く、2021年度の入試では合格者分布のうち7%程度が22歳以上で、やや高めのパーセントをとっています。

上記の大学は、毎年複数名のアラサー以上の合格者を出している大学です。

これらの大学の中でも、特に下線の3大学については、学費の面でもかなり魅力的な大学。

東北医科薬科大学、国際医療福祉大学は、難易度としては決して簡単ではありませんが、学力さえ満たして合格することができれば、学費ランキングなどに掲載されているような公式の学費のおよそ半額もしくはそれ以上の学費になります。

また、産業医科大学は将来の制限こそあるものの、授業料は基本的に公式掲示学の半額になる大学。

いずれも、調べなければわからない「半額以上」という事実。

私立医学部は高いから無理。と初めから決めつけるのではなく、もしかしたら行けるのではないかという希望を持って少し調べてみることを強くお勧めします。

医学部再受験生も専門予備校の利用を

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年齢的に不利でも、それを上回る圧倒的な学力があれば合格することもできます。

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まとめ

以上のように、2019年度からは年齢差別が減っている印象があり、医学部再受験生にとっては公正な選抜をしてくれるため合格できるチャンスは増えました。

しかし、記憶力や体力といった年齢以外のハードルも高く、なかなか医学部再受験生が合格を勝ち取ることは困難です

医学部再受験生が合格を目指すのであれば、専門予備校でしっかりと対策を行うのが一番。

医学部予備校なら年齢や再受験生に関係なく、合格できる大学を知っています。

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